2008 Int’l Dancehall Queen Contest

今年のInt’l Dancehall Queen Contest(以下、DHQ)は、近年のように大荒れすることもなく、パキパキしたダンスで観客のハートをつかんだミッシェル・ヤング嬢に栄冠が渡りました。2位がモイーカ・ステープリー、3位がクリッシーこと栗須奈美。上位2名はアメリカ人なので、今年は入賞者全員が外国人でした。

ジャマイカ勢の出場者達のレヴェルが今ひとつ低かったのは気になったけれど、余計なセグメントもなくなってイヴェントとして楽しかったように思います。

全体のレポートは雑誌で書くとして(たぶん)、ブログでは日本人の一大関心事、「今後、Junko以外に日本からダンスホール・クィーンは生まれるのか」という命題に迫りたいと思います(おお、大胆)。

結論からズバリ書くと、
可能性大。

なのでは。あくまで個人的な見解ですが。DHQのジャッジは観客。一応、審査員もいますが、地元のメディアで構成された彼らの主な役割は、自分の目でダンスを評価しつつ、ステージから見た観客の反応を選考結果に公平に反映させることのようです。勢い、地元モンティゴ・ベイからの出場者が強くなった年もありました。規模は大きいものの、やはりダンスホールはストリート・カルチャーなので、仕切りがザックリとしているのも特徴(一度、キングストンからコンテスタントと一緒にバスに乗ってモ・ベイに行きましたが、かなり激しかったです)。

その点では、サウンド・クラッシュに近い荒さもある。ただし、観客も慣れているというかよく観ていているので、日本で第一線で活躍しているレゲエ・ダンサーだったら、致命的な作戦ミスを犯さない限り、ちゃんと評価されていい反応をもらい、それなりに勝ち進むようです。04年に入賞を果たしたKiyoちゃんは大きいステージに慣れているのがよく出ていたし、Hardcore Jことキョーコちゃんや、Mishlanも観客を大きく沸かせました(たぶん、ほかにも見せ場を作った日本人はいたかと思うのですが、今、思い出せる範囲で書いてます)。

私はダンサーになりたいと思ったことが「0回」という人なので、あまり偉そうには書けませんが、素人目で観ても日本のダンサーはスキル十分、あと必要なのは存在感、というケースが多いように思います。その意味で、今年はPhatty Mariaがいい線行っていました。最終ラウンドに残らなかったのは、正直、意外でした。存在感を出せ、と言われても困っちゃうとは思うのですが、手っ取り早い方法としては、

「旬のダンスをきっちり取入れる」

「リピーターになってみる」

の二つがポイントなのでは。Junkoちゃんによると、今年のクィーン、ミッシェルも昨年出たときは目立たなかったそう。DHQは固定客が付いているので、再チャレンジ組はわりと温かく迎えられますし。

今年はキングストンからトチノジュン吉さんが手配したラブリッシュ・バス(快適でした)に乗ったのですが、帰り際に出場者が乗っていると勘違いしたジャマイカ人女子二名が乗って来て、車内に向かって、

「あんた、今年すごい良かったから。私達、応援してたのよ。最終ラウンドに残らなかったのおかしいわよ。来年必ず帰って来てね」

と、まくしたててビックリ。たぶん、Mariaちゃんに向けて言っていたので、「彼女、乗ってないよ」と一応返事をしましたが、ジャマイカ→日本への愛が感じられ、私的には今年一番のハイライトでした。まぁ、応援演説する前に本人が乗っているか確認しろ、という話もありますが。

最後に。Junkoちゃんが優勝してから6年、複数の日本人が出場するのは当たり前になっているので、食い合いになる可能性はあまりないと思います。

NYから「今年は行きますから」と主催者のBig Head(上の写真の左側にいる人。そのまんまのニックネームですね)に留守電を残したら、スポーツクラブにいて電話に出られなかった1時間半の間に4度もかけ直してきて驚いたのですが(彼は大のメディア好きです)、その際に「歴代で一番有名なクィーンはJunko」という話になりました。Junkoちゃんが凄いのは、DHQのみならず、日ジャのダンスホール・カルチャーを本気で繋ごうという気持ちと行動力があるところ。次のクィーンもダンサーとしては違う打ち出しをしつつ、その点はJunkoちゃんと同じだといいなぁ、と思います。

Junko &昨年のクィーン、カナダのMomo

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