Adorn-Miguel

あら、地球は滅亡しなかったじゃない! と驚いているうちに(嘘です)、クリスマスをやり過ごし(私の周りはサングリア流行り、フフフ)、ちょっと出かける度に、あちこちで写真を撮られるご時世のためーー私個人がどう、という問題ではなく、クラブ系のパーティーやコンサートに行けばパーティー・サイト用にパシャパシャ、プライヴェートでも記念撮影→SNSという感じで、「現実」を見る機会が多く。

「ゲ、ちょっとやせなきゃ」
と、オチたにもかかわらず、紫の袋のm&msをつまみながらの久々の更新です。
…チョコレートは、ダークが好きです。チョコレートはスーパーフードのひとつ、とくにカカオ含有率の高いダーク・チョコレートはOKだと信じています(ハイ、やせられませんね)。

年末。ベスト・ソング/ベスト・アルバム選出の季節です。今年もたくさん素敵な音楽と出会えた中、個人的に動きが面白かったのは、R&Bでした。アッシャーやNe-Yo、一応、リアーナも入れてメジャー選手はいわゆるEDM(エレクトリック・ダンス・ミュージック)に流れ、それはそれで楽しめたのですが、これは昔からある音楽のリ・パッケージというか、リ・ブランディングというか、R&Bベースの人がやっている、という点以外はそれほど目新しくはなかったですよね。

一方、ぶっ飛び、心酔したのは、ミゲルと、フランク・オーシャン

『カレイドスコープ・ドリーム』も、『チャンネル・オレンジ』も、もー、聴いた聴いた聴いた、聴き倒して、立ち上がって(誰がだ)、また聴いて。どちらもアメリカでの高い評価をよそに、日本ではあまり話題にならなかったようですが、Miguelは「Adorn」でグラミーの「ソング・オブ・ジ・イヤー」ほか計3つ、フランク海洋君に至っては「レコード・オブ・ジ・イヤー」と「アルバム・オブ・ジ・イヤー」と最も大きいカテゴリー2つを含む計6部門でグラミー賞にノミネートされており、例年はあまり意見が合わないためにそれほど気にしないグラミー賞が、今年は楽しみで仕方ない。

海洋君は、ライナーと対訳を担当して、それなりに自分の思いを表現できたのでいいとして、ミゲル君のことを改めて推そうかな、と。告白すると、彼は最初から好きだったワケではないのです。むしろ、ちょっと苦手でした。デビュー・シングルにして、スマッシュ・ヒットとなった「All I Want Is You」が演歌系R&Bであの湿っぽさがダメだったし、デビュー直前にサントス・パーティー・ハウスで行われたショウケースで初めて見た時の印象もいま一つ。「男リアーナ」みたいだったり、もろにプリンスを意識していたり、曲調があっちこっち行ってしまって、この人は一体どこに向かってるんだろう、と思ったのを覚えています。
あと、人ごみとシロックに悪酔いした楽しくない思い出も(これ、ミゲル君は全然悪くないですね)。

ファースト・アルバムの時は、「どう見てもゲイでしょう」な衣装や振り付けで、どう反応していいのかも迷いました。これに関してーーきっちり、その噂は出ましたーー、本人が最近のインタヴューでこう言っています。
「あれは、レコード会社の意向。自分ではない何者かのフリをさせられていたんだ」。不思議なのは、例えば「アメリカン・アイドル」出身のシンガーが番組の性質上、しばらくカミング・アウトできなかった時に言いそうな台詞で、逆のパターンもあるの? という。「ストレートなのに、ゲイっぽくさせられる」のは、R&Bではプロモーション的にひとっつもいいことがなく、本当だったとしたら、「なぜ?」との疑問が残ります。

が、本人がそう言っている以上、これ以上はつっ込みません。元プリンスの例もあるように、「独自路線イコール」ではないですし。先ほど書いたグラミー賞のノミネーションと、この噂(フランク・オーシャンは堂々とカミング・アウトしたことでも大きな話題になりました)で、年末になって海洋君と並べたり、比較したりする記事が増えています。でも、本質的にふたりは全く違うタイプのアーティスト。ミゲルは、熱唱系の正統派シンガー、フランク・オーシャンは持ち味勝負のシンガー・ソングライターですから。

ミゲルはとにかく、先行シングルだった「Adorn」がすばらしい。完璧なR&Bがこの世にあるとしたら、この曲。もう、そこまで言ってしまおう。私は、7/31にジョーズ・パブで行われたショウケースにて、早々にライヴでこの曲を聴ける幸運に恵まれました。ライヴだとさらに骨太で、グルーヴ感が前面に出ます。iPhoneで映像を撮って、何回も見て、何回もうっとりしました。

歌詞はシンプル。大好きだよー、ジャマされても貫こうねー、って、それだけ。
ただし、言い方がめまいを覚えるほどに魅惑的。パンチラインです。

「Let my love adorn you」
僕の愛で、美しくなってくれ(直訳)
もっときれいになるように、愛してあげる(意訳)

「装飾する」という意味のちょっと珍しい「adorn」にに引っ掛けて、「adore」を使っているのも素敵。「好き」という時も、「I like you」や「I care about you」のストレートな言い方ではなく、「I adore you(崇拝しているよ)」。なかなか、言われない言葉です。ヴィデオを見てみましょう。

リリックを書いたのも、プロデュースをしたのも本人。大した才能です。ファルセットを駆使して、全体的に美意識が高く、ナルシスティックな匂いを放っているところなど、近いのはマクスウェルかもしれません。ちなみに、マクスウェルは半分プエルトリカン、ミゲル君はメキシコ系。『カレイドスコープ・ドリーム』には、ほかにもいい曲がたくさん入っています。まだ、チェックしていない方は、ぜひ。

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