NYでバーテンダーになろうと思った話 Pt.5

氷が入った水場の前で練習するので、水場の数X2が、クラスの定員になります。月曜日の朝には18人ほどいたクラスメートは、「初日に向いていないと思ったら、その日の授業料を差し引いた授業料を返す」というシステムだったせいか、翌日には2、3人いなくなっていました。

その後も徐々に減って、金曜日にいたのは12人。テストをパスしたのは10人くらいだったと思います。詰め込み方式のカリキュラムなので、金曜日は練習してから最後の2時間くらいで試験かな、と思ったら朝に少しだけ練習時間があって、すぐに試験でした。すぐに筆記試験を採点してくれ、ここで回答率が8割を越した人だけ実技試験を受けられます。

実技試験は出題されるドリンクのリストが事前に配布されるうえ、9つのリストから最終的には2つまで絞るなど、どんどんハードルが低くなり、その場ではいいけれど長期的にはマイナスだな、と思いました。

落ちた場合もほかの金曜日に再チャレンジできるので、英語が分かる人だったら、真面目にクラスさえ取れば、みんな受かると思います。合格すると卒業認定証と、学校のウェブサイトの職探しのページへのパスワードをもらえるのですが、どちらも実社会ではそれほど役に立ちませんでした。

全員のテストが終わったのが2時くらいで、そのまま打ち上げ。ゆるいです。当然、「お酒が飲めるところ」を探したところ、17丁目にあるRyeというバー・レストランへ。この日まではシェーン君とばかり話していて、一緒にランチを食べた人は2、3人いましたが、あまり親しくなっていませんでした。ロシア系の大学生アンナちゃんは21才なのに、すでに私よりもお酒の武勇伝が多い強者。それから、26才なのに10才の娘がいるというアンドレアとも、この日に親しくなりました。「ファミリー・ビジネスだったジュエリー・ストアーのマネージャーと子育てをずっとやっていたので、ほとんど遊びに行ったことがない、こういうお店も不慣れだ」と言われ、私の人生とある意味正反対だな、と思いながら、メニュー選びを手伝いました。

世の中にはいろんな人がいるなぁ、というのが最近よく思うことです。New York Bartender Schoolでは、提携している3つのバーに決まった曜日に行くと、30分ずつバー・カウンターに入ってトレーニングさせてくれる「トレーニング・バー」のシステムがありました。最終日に仲良くなった人と、一緒にトレーニング・バーに行く約束をし、ガンガン飲む気がなかった私はまだ日が暮れないうちにRyeを後に。

ちょっと面白かったのが、生徒のテーブルはチップも含めてきれいに支払いが出来たのに(会計係は成り行きで私)、インストラクターとカウンセラー、それからその知り合いの人達のテーブルでは大もめに揉めて大変だったという話を後から聞いたこと。先生がた、頼んまっせ。

続く。

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