VERZUZ. TV  ビーニマンとボウンティ・キラーの歴史的対決

メモリアル・ウィークエンドにあたる5月23日夜8時(日本時間では24日の朝9時)、ダンスホール・レゲエ界の宿命のライバル、2大巨頭DJがverzuz.tvで対決しました。これが、大盛り上がり。ライヴで観るのが一番、楽しいですがyoutubeのオフィシャルチャンネルにアップされたので、知っているとより楽しめる10のポイントを解説します。... Read More

ロメイン・ヴァーゴのLovesick、語ってみます。

恋煩い(こい わずらい)。レゲエの若手シンガーの中でも圧倒的な歌唱力を誇る、ロメイン・ヴァーゴの新作のタイトルです。 デビュー初期の“Can’t Sleep”や“System”などレゲエらしい、社会派のリリックを歌っても説得力のある人ですが、今回は全編、恋愛。ただし、楽しいキラキラした恋愛ではなく、激しい喧嘩したり(Day In Day Out)、浮気されたり(Sweet Liar)と生活感と人生の重みを感じるタイプのラヴソング集。17歳でデビューしてから11年。前作『 System』から6年半。20代でそんなにたくさん気苦労の多い、ヘヴィな恋をしたんかーい、と心配になりますが、28歳でこれだけ説得力のある歌声を得たのなら、シンガーとして大切な経験だったはず。 ロメインは、ジャマイカのカントリーサイド(田舎)育ち。タレント発掘番組「ライジング・スター」で優勝し、そのまま一線を走り続け、レゲエ・コミュニティに愛されている人です。彼の曲を知らないレゲエ好きはいないだろうし、いい奴オーラしか出ていないので、嫌っている人は「むしろお前が変わり者」認定します(←言い過ぎ)。さて、アルバムの聴きどころを。既発の “Stay With Me”あたりはもうなじんでいるので、解説はいらないとして、ジャー・イケジロー的に強く、強くお勧めしたい2曲から。 まずは、6曲目の“ Can’t Close My Eyes”。 初期はアルトン・エリスらのロックステデイ・カヴァーで知られているロメインですが、アメリカのソウル、たとえばパーシー・スレッジの「男が女を愛するとき」などのカヴァーもめちゃくちゃ上手。その本領が発揮されているのが、この曲。アツくて、こってりと、大甘。 R&Bファンにもぜひ聴いてほしい、王道ソウル。本家のアメリカのR&Bシーンがフランク・オーシャンやダニエル・シーザーといった内省的でふわっとした空気をまとった曲が主流になっている中(そちらも好きですが)、時流を全く読まずにドシッと行くロメイン、最高です。彼女の帰りを待って先に眠りたくない、というシンプルな内容。ベッドルームの窓際とベッドを行ったり来たりしている感じが、絞り出すような歌唱からにじみ出ています。 次のおすすめ曲は、7曲目の“ Sweet Liar”。 「そう来たかー」と思ったセレクターやレゲエ・オタクも多いはず。端的に言って、ロメイン・ヴァーゴがベレス・ハモンドに憑依した曲です。曲調、テーマ、節回し。まんまベレス。前奏なしでいきなり歌い出すところは、 ふたりとも通過した名門レーベル、ペントハウスの名曲でよく聞かれるスタイル。テーマは、以前ブログで取り上げた“Sweet Lies”とほぼ同じです。タイトルも酷似しているし、狙っているでしょう。これを聴いたベレスが山頂の邸宅でフォホッホと笑っている図が浮かびます。 「You’re not good for me/ but you’re everything to me(害しかない君だけど/僕にとってすべてだったんだ)って。なんて切ない。レゲエは、腹黒美人に泣かされるシチュエーションがほかのジャンルより多い気がします。ヒップホップも「金目当てだろ」「ほかの男にも擦り寄ってるだろ」というリリックが頻出しますが、被害妄想もちらほらあって「モテなかったのに、売れたらたらモテて戸惑ってる俺」が透けて見えます。   レゲエには(ジャマイカには)もっとはっきり「すてきな悪女像」があって、「うん、それ手を出しちゃいけないやつ」にきっちり手を出して返り討ちにあって、血を流しながら歌っている名曲がたくさんあります。15年のビッグヒット、デクスタ・ダップスの“7Eleven ”なんて「ほかに男が6人いてもいいの。順番が回ってくるなら11番目でもいいの 」がパンチライン。どんなメンタリティーなんでしょう。破滅型の恋愛は、最中はジェットコースターよりアドレナリンが出るから、一生に一度くらい経験してもいいけど、後遺症がキツいですよね。とくに20代でやってしまうと、それが自分の恋愛の「型」だと勘違いして、次から次へと同じタイプにひっかかる。‥しまった、熱が入ってしまった。 後半は、トロピカルハウスの流行に目配せした“Will You Be There”、ソカ寄りの“Now”、ラジオ・フレンドリーな“Still ”などが続きます。このアルバム、あえて欠点を探せば、曲順が惜しい。最初にこのあたりを配置した方が、あまりロメインに馴染みがない人は入りやすいのに。それから、ヘヴィなダブが展開される“ Day In Day Out” のあとに“ Can’t Close My Eyes”が来るのも、ビーフシチューのあとに間髪いれずにショートケーキを出されたような重さがあります。「おーい、ニール! 胸焼け寸前だぞー!!」とニューヨークのクィーンズの方向へ叫びたい気分。ニール・エドワーズはVPレコーズの名A&Rです。彼の面倒見の良さがこのアルバムの成功要因のひとつ。ナフ・リスペクト。 プロデューサー陣の話も。名プロデューサー、デニー・ブラウニーの息子ニコ・ブラウニーが大活躍。最近は、クロニクスとの仕事でも名前を聞く人です。ほかにクライヴ・ハントやスティング・インターナショナルなどの大物も丁寧な仕事ぶりで飽きない作品に仕上がっています。 あとは来日ですねー。できればフルバンドで音響のいい会場で観たいなー。 「恋煩い」をシェアしながら、心待ちにしていましょう。... Read More

スティング+シャギー=44/876

スティングとシャギーがマブダチ(死語)になった模様です。最初のニュースは、シャギーが隔年で主催しているチャリティー・コンサート、「シャギー&フレンズ」にスティングが出演したこと。ファースト・シングル“Don’t Make Me Wait”がドロップされたと思ったら、スティングのグラミー授賞式でのパフォーマンスでシャギーがゲストで登場しました。 司会のジェイムズ・コーデンを含めて、地下鉄でのスキットも。カープール・カラオケの代わりに地下鉄で歌おうとするものの、観客に嫌がられてしまいにはジェイムズが殴られ、「全く誰のアイディアだよ」とスティングが愚痴ると、シャギーが自身の最大ヒットに引っかけて「俺じゃないよ(It wasn’t me)」。ベタ。でも、笑いました。ライブを見た人は知っていると思いますが、シャギーはコメディアンの才能があります。 「シャギー&フレンズ」は、ジャマイカの小児病院、バステマンテ病院への寄付を募るために始めたコンサートで、偶数年の年明けに行うのが恒例。って、私、なぜかこのコンサートに縁がなくて。スタートしたときは「来るのならプレスパス出すけど、寄付はしてね」という、「まぁ、それはそうですよね」なメールが届いていたけれど、年末年始をジャマイカで遊び倒すスタイルを卒業した後で。クリスマスとお正月をジャマイカで過ごすのはもうとっても楽しいけど、その後、寒すぎる真冬の日常に戻るのが100倍辛くなるのです。スティングだったら見たかったなー。ジャマイカまで行かないと至近距離で見られないもの。   本題。この二人、すでにアルバム一枚分のレコーディングを終了しているそうです!   タイトルが『44/876』。イギリスとジャマイカの電話の国番号を並べただけ、とすぐに気がつくタイトルです。スティングが66歳、シャギーは49歳。少し歳は離れているけど、気が合うのはわかる気がします。二人とも長年、トップに立つだけのしたたかさと、少年のような素直さを持ち合わせています。シャギーは完全に「陽」の人です。なんども会っていて、スタジオやPV撮りなど素顔を垣間見られる機会もあったから、言い切れます。スティングは、ソーホーのレストランで見かけただけ。 “Every Breath You Take(みつめていたい)”とか怖い歌詞も書くし、今のラブラブの奥さんは前の奥さんの親友だし、一筋縄ではいかないでしょうが、いま生きている最高のシンガーのひとりであるのは間違いありません。 その、スティングがジャマイカで弾けました。 キングストンのハーフウェイ・ツリーやダウンタウン、ヘルシャ・ビーチではしゃいでいるスティングの表情を見てください。突き抜けるような青空を切り取るのがジャマイカ撮影の基本ですが、曇り空で撮っているのでタイトなスケジュールの中、勢いで敢行したのでは、と察しています。 曲はシンプルなラヴソング。ひねりはないけれど、スティングの繊細で切ないヴォーカルがすてきで、ブルーアイド・ソウルならぬ、ブルーアイド・レゲエの極み。ボブ・マーリーの“Turn Your Light Down Low”によく似ていますよね。それも含めて、丸ごとレゲエ・アルバムを作るのは、ジャマイカの宗主国であるイギリスで、 ティーンエイジャーの頃からレゲエに触れてきたであろう、スティングが長年、やりたかったことなんだろうな、と思います。ローリング・ストーンズのミック・ジャガーやキース・リチャーズもレゲエ(とボブ・マーリー)にコンプレックスに近い思い入れがあって、レゲエに取り組んできましたが、今回のスティング(とシャギー)は、もう少しさらりとやってくれそう。ロビー・シェイクスピアなど一流レゲエ・ミュージシャンも参加しているらしいです。 4月20日発売、というのも粋ですね。超スーパーウルトラ楽しみです。... Read More

ニンジャマン終身刑

オリジナル・ダンガーガンこと、ニンジャマンが2009年の殺人で終身刑の判決が出ました。パロール(保護観察がついた仮釈放)までは最低25年。 ニンジャさん、76才になっちゃいますね。 息子とその友人の揉め事に巻き込まれ、殺人事件まで発展してしまった残念なケース。2009年3月16日、数人でその揉めた相手を銃を持って追い掛け回したとき、その場にニンジャマンもいたそう。直後に逮捕され、3年ほど矯正施設に入って、2012年に保釈金を払って自由の身になっていました。刑が確定していないうちは、罪人ではないので。息子をかばっただけで、ダンガーガンは関係ない、という話もありましたが、目撃者がいるらしいのでひっくり返すのは難しかったようです。 99年には銃器の保持で刑務所に入っています。その時は、出所したあと「本名のデズモンド・ヴァレンタインでゴスペルだけ歌う」と言って話題になりました。あっさり撤回しましたが。 そして、今回の事件。息子とその友達も終身刑、パロールまで15年の刑。 判決を言い渡された際、 ニンジャさんは裁判官に「よし、わかった」を意味する親指を上げて応えたそう。 そんな時にかっこつけなくてもいいのに、と思いますが、生きるレジェンドとして、親指の一本や二本、上げとくのがニンジャマン。 80年代後半から90年代初期までシャバ・ランクスとスーパー・キャットの3人でトップに君臨しました。二人のようにUSのレコード会社とメジャー契約、インターナショナル・デビューをしていないので、世界規模の知名度は低いです。 でも、ダンスホールの一時代を築いた大御所としてジャマイカとレゲエ・コミュニティーで崇められ、特にDJクラッシュの王者として、有無を言わせぬ戦績の持ち主。 あと、かなり暗いステージでも、迫力のある写真が撮れるフォトジェニックな人。 ところで、亡くなったリカルド・ジョンソンさんのニックネームがあろうことかRickey Trooper。そう、日本になんども来ているクラッシュ・セレクターのチューパーと同じ名前。偶然でしょうか。リカルドさんはまだ20才だったそうで、小競り合いが原因でも死人が出た以上、重い裁きが下るのは仕方ないです。 獄中からアルバムまで出しちゃっているカーテルの例もあるので、ニンジャマンも音楽活動ができるような気はします。この際、二人でコラボ・アルバムを作るとか。 でも、あのキレキレのステージが見られなくなるのは、レゲエ界の大きな損失です。寂しい。 (2005年くらいかな、じゅんちゃんがニンジャさんの自宅に連れて行ってくれた時の写真) もっといいステージ写真があるのですが、ハードドライブを開ける時間が今日はないので。3回取ったインタビューも改めてまとめたいところです。      ... Read More

(Baby)Cham 来日するぞー!!

ベイビー・シャム、来日しますねー。 楽しみすぎる!! 「ゲットー・ストーリー」は知っている! な人には予習、「マッドハウスがスタートした時からずっとファン」な人には復習になる、ワンポイント講座をちらっと開講しましょう。

(一昨年かな。ジャークフェスの時の写真です)... Read More

レゲエの女王 マーシャ・グリフィス様来日をさらに楽しむ方法

マーシャ様、来日中です。御年66歳。   ベレス・ハモンドと並んで「毎年一度は拝みたいアーティスト」として、私の中で特別なポジションにいらっしゃる方でもあります。もう、大好き。   なんども見ている人も、今回初めての人も、「ここを見るとマーシャ様はさらに楽しめますよ」というポイントを書こうと思います。   1. マーシャ様の持ち曲はザックリ分けると、60から70年代のロックステディ期、アイ・スリーズ期のボブ・マーリー・メドレー、80年代の「エレクトリック・ブギー」、90年代のペントハウス黄金期、その合間に放ったラヴ・ソング・ヒットになります。そのくくりで、毎回微妙に変えてセット・リストを組みます。その構成に注目しましょう。   2.マーリー・ブラザーズのボブ“凄すぎる父ちゃん”マーリーのメドレーも歌声が似ていて楽しいですが、マーシャ様のメドレーは違う意味で素敵です。だって、ボブ本人に何百回とバックコーラスをつけた人です。一昨年はキャリア50周年(!)で、ニューヨークで一番大きなレゲエ・フェス、Irie Jumboreeのサブ・テーマが彼女のお祝いでした。足の調子が良くないリタ様は来られなかったけれど、ジュディ・モワットが駆けつけて、一緒にボブ・マーリーのメドレーを披露。もうね、振りが体に染みついている感じで。そのダンスも、一緒に合唱しながら堪能しましょう。   3.マーシャ様はとってもおしゃれ。上記のIrie Jumboreeの時の衣装替えは10回近かったんじゃないかな。あの年代のアーティストは衣装をあつらえるから、ドレスの色と帽子やターバンが同じ。今回はクラブ・ツアーだから少しカジュアルかも。セクシー路線ではないレゲエ・ファッションのお手本です。   4. ソロ曲はもちろん、デュエットにも名曲がたくさん。ボブ&マーシャはサウンドマンならまずダブを持っているだろうし、スタジオ1の同志からベレス、ブジュ、ダヴィルなどとラブ・ソングをたくさん作っています。2012年にのMarcia Griggiths and Friendsはデュエットばかりを集めたアルバムでしたね。バックコーラスの男性シンガー(息子さんのことが多い)がそれらの名曲の相手役を務めます。   5. マーシャ・グリフィスはその存在そのものが「レゲエ」です。 とにかく、全身で彼女の歌声を吸収しましょう。ソールドアウトの会場も出ているようですが、近くに来る人は見逃し厳禁! 今晩は名古屋です。ライオン・ミュージック・デンが25周年なんですねー。おめでとうございます。共演はmachakoさん。女性アーティストつながりでいい感じ。   21日 大阪ダウンタウン。ウェイン・ワンダーの時にお世話になりました。泉州レゲエは濃い!     22日は東京Cay。ホーム・グロウンがバックを務めます。豪華。関東はここだけ。     24日。沖縄スクラッチ。P.J.も出演するんですね。彼も大ベテランの域に入ってきましたね。   25にち。福岡。福岡もレゲエが熱いですよねー。海の近くで気持ちいい会場です。 ... Read More

ウサイン・ボルトと3回遭遇

日本で観るオリンピックは、とても新鮮でした。   自国が強い競技を中心に放映するのは、どこも同じ。でも、アメリカは日本の比ではないくらい偏っていたように思います。まず、そこまでオリンピック一色にならない。一般的には野球、バスケ、アメフトの3大スポーツの方が関心が高く、そのまま競技を流しても高い視聴率を望めないのか、妙な盛り上げ方をします。放映権も、日本のようにばらさないでNBCが独占しています。   他局のドラマやリアリティ番組に対抗するためか、それまでの成績を元に、決まった競技の決まった選手を中心にストーリーを作り上げて、変なドラマ仕立てにする。開幕前の特番ならわかるのですが、会期中でも競技の中継時間を削って『アメリカン・アイドル』ばりにその選手の生い立ちを紹介します。先のロンドンでは、女子の体操がそうでした。そのドラマで「脇役キャラ」を与えられていたギャビーことガブリエルちゃんが大活躍したものだから、慌てて筋書きを変えてなんだか白けたのをよく覚えています。今年も身長145センチのシモーネちゃんが活躍したようですが、日本で体操といえば男子しか話題にならないので、きちんと見られなくて、残念でした。   日本人選手の活躍ももちろん見たいけれど、純粋に世界のトップクラスの戦いぶりを淡々と映す番組があってもいいと思うのですが、どうでしょう?   あ、例外が一人いますね。スーパースターのウサイン・ボルト選手。   ウサイン・ボルトの個人金メダルは想定内として、400メートルのリレーではぐっと来ました。アサファ・パウエルやヨハン・ブレークら、キャリアの長さが近い盟友たちと走り切って、みんなで有終の美を飾った気がして。アサファ選手もたぶん最後。ボルト選手の前に「世界最速」の称号を持っていたにもかかわらず、ずっと運がないイメージだったので、最後は団体とはいえ金を手にできてよかったです。   ボルト選手は、3回見ています。最初は、ニューヨークでプーマのサイン会。すごい人だかりになって、入場制限がかかっていました。イベントのDJ(レゲエだからセレクター)が友達だったので潜り込めたけれど、さすがにサインは遠慮しました。飄々とした雰囲気の人でしたよ。サインに飽きたら真剣な顔でスニーカーを試していたのが印象的でした。2回目はキングストンの競技場で。走るところは見られなかったけれど、遠目で見ても体がしなやかなのが見て取れました。3回目は、空港。ほかのジャマイカ人より一段を黒光りしていて、練習量がすごいのだろうと思った記憶があります。そうそう、キングストンにか彼が関わっているトラック&フィールドというレストランがあります。   ジャマイカの血が入っているケンブリッジ飛鳥くんと並んで走ったのも見ものでした。ジャマイカに住んでいる、日本人の友だちの多くが飛鳥くんを知っているそうで、話を聞いていたので、親近感があります。 ジャマイカの国の大きさを考えたら、陸上競技であれだけ勝ち続けるのは驚異的です。   その理由を、2014年に出版した『まるごとジャマイカ体感ガイド』に書いたので、興味のある人はチェックしてみてください。  

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シズラとアルカラインとジャー・9の共通点

結構なボリュームのレゲエ特集の記事を書いていて気がついたこと。 インチキ・お目目タトゥーの天才シングジェイ(ええ、彼はそうですよ、すっごい才能)、アルカラインってUWI に行っているらしい。バイオにそう書いてあった。 UWIはユニバーシティ・オブ・ウエスト・インディーズのこと。西インド諸島大学ですね。カリブ海諸国で一番の難関、名門校です。 そうなの。アルちゃん、まさかの大学生。 それで、同じ記事で取り上げるジャー・9もちらっとUWIに行っていた、とバイオにあるのです。彼女は実は30代なので少し前のことらしいし、卒業したのかまではわからないけれど、初めてジャマイカで見たとき、確か大学絡みのイベントだったので、学生だったのは事実でしょう。 それで、思い出したことが。 シズラも昔、UWIで建築の授業を取っている、って私のインタビューで言ったのです。海外の大学は社会人向けのプログラムや特別枠が結構あるから、授業を取っているイコール学士を取るためにがっつり大学生をやっている、という意味ではないけれど。 UWIには、2回ほど行ったことがあります。 一度は、レゲエのシンポジウム(ジャマイカは、レゲエ学があります)に出席したのですが、たまたま「商業としてのレゲエ」というテーマで、スピーカーの人が、 「ジャパンスプラッシュでは、観客全員にブルーマウンテン・コーヒーを配っていた」 というトンでもない嘘を言っていて、私は目が点。とっさに手を上げて「ジャパスプで働いていましたが、そんな事実はありません」と言おうかと思ったけれど、そんなことをしても誰も得しないし、代わりにそーっと後ろから出ました。 ジャマイカの人は、話を面白くするために話を盛る傾向があるので、学歴も真に受けなくていいのかな、とは思います。 そういえば、最近はブジュ・バントンのニューヨーク大学修士号取得のデマがありました。NYUは名門&御坊ちゃま大学です。そう簡単に獄中で修士が取れるわけないなー、と記事を読み比べてら全部違って、こりゃ嘘だな、と。 これは、ファンのブジュに対する憧憬がデマを生んでしまった変な例ですね。 UWIにもある「レゲエ学」の教科書は、ぜひ購入したいです。... Read More

祝!ビルボード No.1 Sia feat. Sean Paul "Cheap Thrills"

ダンスホールっぽいサウンドが流行っているわりには、ジャマイカ勢が恩恵を受けていない気がして、あちこちでブーたれていましたが。 ドレイクのダンスホール・マナーな“One Dance“にポッピカーン絡めー、とか、モヴァちゃん行け〜と、外野から野次を飛ばしていましたが。 大事な、この人を忘れておりました。ごめんなさい。 ショーン・ダ・ポールさん
  って、いきなり後ろ姿。 前作の取材の際、ボブ・マーリー・ミュージアムでデミアン・マーリーと談笑している時に撮りました。タイプは違うけれど、品が良くて、悪口を言わなそうな感じは一緒。仲良さそうでしたよー。左はショーンの弟のジェイソン。サウンドシステム、Copper Shotのオーナーでもあります。 本題に戻って。 顔を半分隠して活動している、オーストラリアのヒットメーカー、シーアさんの「チープ・スリルズ」のリミックスに招かれて、そのヴァ−ジョンがドレイクからHot 100の1位を奪取。 痛快愉快。 別にドレイクがキライなワケではないです。最新作の『Views from the 6』もよく聴いているし。2枚くらい対訳して、彼の世界観も理解しているつもり(そのうち書きます)。 でも、やっぱりジャマイカ人がメジャー・フィールドで活躍するのは、心が躍る。 ショーン・ポール10年ぶりの1位!!(その前は“Temperature“)ヘ(゚∀゚*)ノ そのあと、ジャマイカ人で頂点に立った人はいないので、ジャマイカ人アーティストとしても10年ぶり。 さすが、ショーンさん。 この曲、ビデオも面白いの。 ショーンさんが出ていません。アメリカの有名な音楽番組「アメリカン・バンドスタンド」風のセット。設定は1950年代ですね。それなのに、覆面ダンサーがそれ以降の時代に流行るダンスを次々と披露して、みんなびっくり! という。 実はこの曲は、もともとリアーナのために書かれた曲だそう(シーアさんは、他の人にもたくさん曲を書いている才人です)。それで、南国風のトラックなんですね。 チープ・スリルにはワンナイト・スタンドの意味もあります。だから、シーアの「お金は持っていないけれど/あなたさえいれば/ビートが鳴っていればいい(安上がりなお楽しみが大好き!)」は、結構含みのある歌詞です。 それを、SPが「君はダイヤモンドより、ゴールドより価値があるんだ」 と、いつも通りノー天気なフックをかましているので、必要以上にいやらしくならず済んでいます。 ショーンなしのオリジナルもあるので、聴き比べてください。 もともと、中毒性の高い吹っ切れた感じの曲ですが、ショーン・ポールが参加することで100ワットくらい明るくなったし、トロピカル風味から本格的にダンスホールに寄って、レゲエの現場でもハマる曲になりました。 アメリカは、7月から9月1週まではレゲエっぽいラジオでかかりやすくなるので、タイミングもばっちり。 セレクターの皆さんは現場でかけてみてくださいな。... Read More

痛恨の凡ミスだー。

まちがえちゃったー、ごめんなさい! 1ヶ月以上ぶりのブログで、なぜいきなり平謝りモードかというと。 このツイート。 「ブジュは順当にいけば2018年の12月8日に出所できます。ここまできたら、ジタバタ騒がずに刑期を終える見込み。あと1年半で、きっとステージに戻ってくる。いまは、元気でいてくれたらそれでいいです」 いま、見たら101人の人がリツイしてくれていました。ありがとうございます、お礼言っている場所が違いだけど。別に新しいニュースではなくて、刑期の10年から3ヶ月だけ早く出られそう、というのは前から分かっていたけれど、具体的に日にちを出したので、皆さんに「おお、いい情報だ」と思ってもらえたみたいです。 でもさ。 2018年の12月8 日って、1年半先じゃないのよ、2年半先。 ジャー・イケジロー、凡ミスです。 ごめんなさいねー。気付いた人いなかったのかな? 101人いたら「あれ?」と思った人はいたんじゃないかな。うーん。私のフォロワーさんも夏バテ気味。 せっかくだから、Woofin’掲載の次点ショットをお見せしましょう! ノリノリなカーテルさん。
  10年以上前かな。肌色が全然違うわ〜。Hot97のOn Da Reggae Tipの一コマ。この後でマッカ・ダイアモンド姐さんと楽しそうに絡んでいました。姐さん、元気かな。レディ・ソウがゴスペル・アーティストになった現在、クィーン・オブ・ダンスホールの席が空いているのだから、奮起してほしいところです。 ニコニコなベレス・ハモンドさん。
  いい笑顔です。3年前のインタビューの時かな。癒される一枚。 えーと。ちょっと報告です。 私、いま現在、札幌にいます。でね、このままニューヨークには戻らないの。 もうちょっとで終わるはずの本が仕上がったら、東京にお引越し〜。楽しみだー。 ということで、知り合いの方々(これから知り合いになる人も)、よろしくお願いします。... Read More