オバマ前大統領の2017ベストソング・リスト全曲解説PT.1

恒例になっている、バラク・オバマ前大統領の年間ベストソング・リスト2017年版がfacebookで公開されました。

オバマさんはヒップホップ好きとして知られていますが、選んだ曲はインディーロックから超ビッグヒットまで。ジャンルも国も幅広く、さすが視野が広い、と感心しました。ヒップホップでランクインしたのは、チャンス・ザ・ラッパー、DJキャレド、ジェイ・Z、ケンドリック・ラマー、トラヴィス・スコット、フレンチ・モンタナ(とレイ・シュリマーのスウェイ・リー)。フランク・オーシャン、アンドラ・デイ、SZAちゃんも。「まだ56歳」感が出ています。

まず、オバマさんの挨拶から。

Barack Obama

January 1 at 4:06am ·

During my presidency, I started a tradition of sharing my reading lists and playlists. It was a nice way to reflect on the works that resonated with me and lift up authors and artists from around the world. With some extra time on my hands this year to catch up, I wanted to share the books and music that I enjoyed most. From songs that got me moving to stories that inspired me, here’s my 2017 list — I hope you enjoy it and have a happy and healthy New Year.

「大統領就任中に、読書リストとプレイリストを共有する慣例をスタートさせました。私自身、共鳴できた作品を振り返ることができますし、世界中の作家やアーティストを励ますためにもいい方法です。今年は少し時間ができたことですし、もっとも楽しめた本と音楽を紹介しますね。 2017年、私が感銘を受けた曲と、やる気が出た物語のリストです。皆さんに喜んでもらえれば。あけましておめでとう、健康的な新年を」

ソングリストは全部で21曲。長いので、Pt.1   とPt.2に分けますね。

1.Mi Gente by J Balvin & Willy William

ミ・ヘンテ/J・バルヴィン&ウィリー・ウィリアム

トップバッター、いきなりのレゲトン 。コロンビアのJ・バルヴィンとフランス人プロデューサー、ウィリー・ウィリアムが組んだ曲で、当然、スペイン語。聞き取れません。中毒性の強いトラックに、「フリーズ!(止まれ!)」と「1、2、3」の掛け声で 絶対に盛り上がる曲です。まず、youtubeでヒットしてから、「娘のブルー・アイヴィーが1日中歌っているから」というなんとも可愛い理由で、ビヨンセがリミックスで飛び込んで、さらに爆発。このリミックスの売り上げはハリケーンの被害が大きかった プエルトリコ、メキシコ、カリブ諸国に寄付されました。

タイトルの意味は「マイ・ピープル」。「みんな一緒に盛り上がって行こう!」いうリリックは単純なようで、排外主義のトランプさんが国のトップに立っている中で、ラティーノ・カルチャーを思いっきり前面に出し、様々なジェンダーをひっくるめて称えているわけですから、オバマさんが最初にこの曲を選んだところに、明確な意図を感じます。

2.Havana by Camila Cabello (feat. Young Thug)

ハバナ/カミラ・カベロfeat.ヤング・サグ

2曲もラテン・フレーバー。元フィフス・ハーモニーのカミラ・カベロのビッグヒット。ソロになって半端ない鼻声&キューバ出身という自分の持ち味を生かしての大ブレイク。フィフス・ハーモニーはオーディション番組「Xファクター」の勝ち抜いたメンバーで結成され、みんな歌えるのが強み。人気グループですが、どうしても「作られた感」があって、そこからははみ出た下がり眉のファニーフェイス系美人のカミラちゃんが魅力的に映ってしまう。

アメリカに一番近い共産圏、キューバとの関係をオバマさんはだいぶ頑張って縮めましたが、オバマさんの「レガシー」をひっくり返すのが大好きなトランプさんは強行政策をとって関係が悪化していることも、オバマさんは気にしてついこの曲を推したのかもしれません。

3.Blessed by Daniel Caesar

ブレスド/ダニエル・シーザー

3曲目はカナダ出身のシンガーソング・ライター、22歳のダニエル・シーザー。OKPlayer.comにやっと取り上げられたような新進気鋭のアーティスト。オバマさん、ずいぶん目利きです。娘のマリアさんやサシャちゃんの影響もあるかな? ピアノの音色に物憂いヴォーカルをのせて、素敵。少しフランク・オーシャンを彷彿とさせます。2018年、さらにブレイクしそうです。

(ブルックリンの壁画。マイケル・ジョーダン、レイ・チャールズの隣がオバマさん。愛されています。

4.The Joke by Brandi Carlile

ザ・ジョーク/ブランディ・カーライル

ブランディ・カーライルは、10年ほど前の「ストーリー」をヒットさせたフォーク・ロック・シンガー。って、私は知らなかったです。オバマさん、かなり幅広く聴いていますね。力強い、張り裂けるような、 ドラマティックな歌声の持ち主です。とてもアメリカらしい曲だと思います。

5.First World Problems by Chance The Rapper (feat. Daniel Caesar)

ファースト・ワールド・プロブレム/チャンス・ザ・ラッパーfeat.ダニエル・シーザー

ここでチャンス・ザ・ラッパーの登場。チャンスくんのお父さんは役人で、オバマさんがイリノイ州の上院議員と大統領の1期目に仕えていたのは有名な話。オバマさんに招かれて多くのラッパーがホワイトハウスを訪れていますが、お父さんの仕事の関係で、13歳から出入りしていたのはチャンスくんだけでしょう。

ここでもギターを弾くダニエル・シーザーくんが出てきます。ヒップホップ好きとして知られるオバマさんですが、この曲はビートがないスポークンワード。アメリカン・ドリームの裏側を詩にしています。

6.Rise Up by Andra Day

ライズ・アップ/アンドラ・デイ

一昨年、ブルーノート・フェスティバルで来日したアンドラ・デイさんの「ライズ・アップ」。2015年の『チアーズ・トゥ・ザ・フォール』からのシングルで、息の長いヒットになっています。私も大好きな曲。アンドラさんはレコーディング以上にステージで聴かせるシンガー。オバマさんは声に特徴のあるシンガーが好きみたいですね。「私たちは何度でも立ち上がる」というパンチラインも、大統領になったものの、敵対する共和党が強い議会で苦労したオバマさんに重なります。

7.Wild Thoughts by DJ Khaled (feat. Rihanna and Bryson Tiller)

ワイルド・ソウツ/DJキャレド feat.リアーナ&ブライソン・ティラー

カルロス・サンタナ「マリア・マリア」を大胆に使ったDJキャレドの最新アルバムのファースト・シングル。直球すぎて文句を言う隙がない曲です。ところで、このヴィデオのリアーナはめちゃくちゃエロい。

8.Family Feud by Jay-Z (feat. Beyoncé)

ファミリー・フュード/ジェイ・Z feat.ビヨンセ

邦題「家庭内不和」。つい先日、ヴィデオのティーザーが出て話題になったタイミング(今のところTidalだけで見られます=日本は蚊帳の外)。カーター夫妻はオバマさんと仲良しで、選挙、就任式をサポートした仲です。新作で自分の浮気を認めたジガさん、「家庭内の諍いには勝者はいない」は真理をついていますね。奥さんのミシェルさんが大好きなオバマさん、「その通り!」と思ったのでしょうか。

9.Humble by Kendrick Lamar

ハンブル/ケンドリック・ラマー

外すワケにはいかないケンドリック・ラマー『Damn.』から。オバマさんは、2015年のベスト・ソングに「ハウ・マッチ・ア・ダラー・コスト」を選んだほどのケンドリック・ファン。カンフー・ケニーも当然、大好きで、在任中にホワイトハウスにも満面笑みで訪れています。2月にグラミーを総ナメするであろう『Damn.』でこの曲を選んだのは、「今、オバマから連絡が来たぜ(Obama just paged me)」というラインがあるからでしょうね。オバマさんお茶目です 。

10.La Dame et Ses Valises by Les Amazones d’Afrique (feat. Nneka)

ラダム・エ・なんちゃら(読めない)/レ・アマゾネス・デ・アフリーク(feat.ンネカ)

すみません、これは知らなかったので頑張って調べました。西アフリカの女性アーティストが集結したプロジェクトで、アンジェリーク・キジョーやママニ・ケイタなど有名どころの名前もちらほら。オバマさんが選んだのは、ンニカさんの、この不思議な曲。歌詞は英語です。アルバム『リパブリーク・アフリーク』は興味深い作品なのでじっくり聴きます。

以上、前半10曲でした。いま、ハフィントン・ポストも動画を並べていることに気がつきました(マヌケ)。

でも、「オバマ前大統領、2017年はヒップホップにはまった?」ってタイトルも私に負けないくらいマヌケですね。

前からですよー、だ。

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