Our World

T.O.K.の『アワ・ワールド』が、あと数時間で日本で先行発売になります。前作『アンノウン・ランゲージ』から実に4年ぶり。05年の時点で「来年には出すから!」と言っていたアルバムが遅れまくったのは、ビジネス面の事情も大きいですが、07年にアレックスの、08年にフレックスのお父さんが亡くなられたのも少なからず関係あるように思います。

アレックスはたった一人の弟を亡くして数年の出来事だったし、パパっ子だったらしいフレックスに至っては、お葬式の時の悲嘆ぶりは相当だったと聞きました。高校卒業後、4人がT.O.K.の活動に専念することに決めた際、進学を希望していたベイ・Cとフレックスの親がふたりを勘当し、アレックスの家に転がり込んだいきさつは、私の本にも書きました。

今回のアルバムのジャケットの内側に、ふたりのお父さんの写真があります。アレックスのお父さんの方に、「T.O.K.の父」と書いてあるのは、そういう事情があるからです。ベイ・Cも同い年のいとこをなくしたし、クレイグもプレイヴェートでかなりキツいことがありました。
 
んか、おめでたい発売日にしんみりしてしまいましたが、3作目で4人の大人になった面、強くなった面が音の間から感じ取れるようだったら、辛い時期を支え合ってくぐり抜けた4年間だったからだ、ということを書いておきたかったのです。

さて、音楽的なことも書きましょう。

まず、先日ヴィデオを撮った“Couple Up”。「カリプソ」とあちこちのレビューで書かれているようですが、下敷きになっているのはジャマイカの民謡、メントです。まぁ、メントもカリプソも音楽的に繋がっているので、間違いではないのですが。案外、「俺らジャマイカ人だし!」という気概が強い人達なので、正しておきます。歌唱力の伸びは、“I Wanna Love You”のアレックスのコーラスの完璧さ、“Die For You”でのフレックスの入魂のファルセット、同曲でのクレイグの大マジメな歌唱をチェックをされたし。フレックスのシング・ジェイ率、ベイ・Cのファスト・タン率の高さも特筆ものでしょう。
 
“Die For You”はもうちょっとドラマティックにいじったリミックスもアリかな。一番古いヒット曲は“Guardian Angel”と“Everybody Bounce”でしょうか。後者にちなんで“Bounce”と名付けたコンサートを自分たちで企画した(で、コケた)のが2006年。その時に、彼らを表紙にした『Di Reggae Book』を渡したのがついこの間のこと、それこそ2006の6をひっくり返して9にしたくらいの間しかなかったような気がするのに、しっかり3年も経っているのだから、いやになっちゃいます。

というか、彼らの3枚目が06年に出るって聞いたから、一緒に店頭に並べてもらおうと表紙にしたんだっけか。本人達だけが悪いわけではないとは言え、やっぱり遅れすぎですね。

どう、落とし前をつけてもらおうかな。

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