Ragga Ragga Ragga ! 2009

ちょっとタイミングがズレましたが、今年の『Ragga Ragga Ragga!』をレビューしてみましょう。

私は、この『Ragga Ragga Ragga!』シリーズのファンです。ほかのコンピより、気に入って聴く可能性が高い。初心者向けではないかも知れないけど、最新ヒットを拾うタイミングも早いし、最後までテンションが高いのもいい。

2009年版も期待を裏切ってません。頭が、カーテルがオートチューンでコーラスを歌う“Life Sweet”。アディ先生は大好きですが、サンフェスで歌った時に眉をひそめてしまったのも事実。先生、歌えないのです。それをフォローするオートチューン使いは賢いと言えば、賢いけれど、『American Idol』にゲスト出演して「アマチュアの挑戦者達よりずっと歌えない」と叩かれたカニエ・ウエストみたいにはステージでなって欲しくないかな。まぁ、先生はカニエよりずっと冷静なので大丈夫でしょう。次がカーテルが抱えているブラック・ライノーの“Real Stingers”。リズム感とセンスはいいけど、声が細いかなー。

思いがけず、big tuneとなっているラディンの“Time To Shine”。これ、ジャクソン・5の“ABC”を換骨奪胎した曲なんです。スティーヴン“いつになったら成人するんだ”マクレガーの仕業です。じゃあ、いいや。かわいいから(おいおい)。「あ、それやっちゃう?」というネタ使いと、ドラム・パターンの組み方を絶対外さない点で、90年代頭~半ばあたりのサラーム・レミ仕事みたいでもあります。サラームとスティーヴンはFacebookでいろいろと報告してくれる点でも共通してますね。スティーヴンは一生懸命、Chinoの活動報告もしています。兄貴思い。やっぱりかわいい。

続いてビジー・シグナルとマヴァードのアライアンス・タイム。ビジーのトラックは、<Unfinished Business>もとい<Show Time>を引用した感じ。そうそう、デイヴ・ケリーおよびマッドハウスが<Unfinished Business>を作ったTJホワイトを訴えたというジャマイカの報道は全くのデマです。マッドハウス陣営から直接聞いたので、マチガイない。マヴァードの“Nuh Bleach Wid Cream”も嫌いではないですが、いろんな意味で旧聞に属する曲なので、割愛。

次が「ラガ・ラガ・ラガ」ではなく「ダガ・ダガ・ダガ」になっている、ダガリン・セクション。ジャマイカでは放送禁止のやり玉に上がっていて社会問題になってますね。時間と場所はわきまえるべきですが、禁止は行き過ぎでしょう。アイドニアの復活は個人的に嬉しいし、“Flying Dagger”は曲としてもとてもよく出来てます。RDXの“Bend Over”は、プロデューサーが元グーフィーのMr.Gであることの方が、私にとっては大事。

リッキー・ブレイズはフックがヤーディーっぽくないな、と思ったら、ブルックリンの人でした。私は好きなタイプの曲です。今年はメイノやアンクル・マーダなど、BKはフラットブッシュ界隈から出て来たラッパーの勢いがあるので、どんな展開になるか楽しみにしているところ。

T.O.K.の“Gimme Little”は次のアルバムの先行シングルかと思っていたのですが、これに入っちゃってるということは違うのかな。アレックスは最初からオートチューン声だから、使っているのかどうか確認しよう。さすが、メジャー感がある出来です。

ビーニの“Gimme Gimme”も現場ヒットしたし、アサシンの“Dem Nuh Want No Gal”も違う声色が聴けていいですね。ただ、アサシンには世界規模で狙ってほしいです。ディンドンと和田君&アンドリュー・ブラッドさんが同じトラックを全く違う感じで調理した後、キラー番長のコンシャス(&怒り)チューンで締め。

このコンピをまとめたDanがGreensleeves(というか、VP)を辞めちゃったんですよね。次回から選曲のセンスがズレるかも知れないと思うと、残念です。

ラファエル・サディークのライヴに行く時間が迫っているので、最後は端折り気味になってしまいましたが、ブログのレビューは好きなことを好きな長さで書けるので楽しいですね。

あー、ジャマイカ行きたい!

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