さよなら サリンジャー

今日はサウスのイケイケ・レーベルの社長/MCの電話取材。リル・ウェインの知られざる素顔(ってレーベルがもろにバレますが)とか、面白い話が聞けた、と思った最後に、2015年の予想図を描いてもらったら……。

「でも、世界は2012年に終わるんだよ」

と言われてしまいました。取材相手に反論しない、がモットーの一つである私ですが、さすがにどう反応していいものか、目が点、脳みそも硬直、という事態に。まだまだ修行不足ですね。

それから、JDサリンジャーが亡くなってしまいました。享年91才。自然死だそうです。中学生の時に『ライ麦畑でつかまえて』を読んで以来、『フラニーとゾーイ』も『ナイン・ストーリーズ』も『大工よ、屋根の梁を高くかかげよ』もくり返し読んで来ました。もう50年近く隠遁生活を送っている作家なので、ある意味、かなり前から「いなくなって」いた人ではあるけれど、やはり寂しい気がします。

NYに移り住んだとき、勝手にサリンジャーにも、ウィリアムズ・バロウズにも、カート・ヴォネガットにもいつか会えるだろうと思っていました。だって、ジャマイカのアーティストも大学生のときに死ぬほどStudio 1を聴き込んだら、3年後にデニス・ブラウン、ホレス・アンディ、アルトン・エリス、ケン・ブース、ジョン・ホルトみーんなに会えたし(そういう会社に就職しただけの話なんですけどね、20代前半はいまよりさらにアホだったから、何でもミラクルだったワケです)。

バロウズとヴォネガットは講演会やサイン会、詩の朗読会などをチェックしていたら、もしかしたら会えたかもしれないけれど、努力不足、念力不足で叶わず。亡くなったあとで後悔しても仕方ないですが。
でも、サリンジャーはどんなにがんばっても会えなかったでしょうね。世間に出ることを徹底的に嫌っていたわけですから。

そうそう、その隠遁した彼になんとか迫ったイアン・ハミルトン『サリンジャーをつかまえて』も面白く読みました(けっこう、オタクかも)。
話が飛びますが、自分の中でサリンジャーが好きなところと、Marc Jacobsのデザインが好きなところは、同じゾーンに属しています。イノセントだけど毒があって、お坊ちゃんくさいのに斜に構えたところがあって。
誰かにずっと作ってほしかった、ヒール付きのワラビー。

$池城美菜子的紐育日記~Minako Ikeshiro' s NY Journal

 

でも、マークさん、これはたぶん、やりすぎ。

ホールデン・コールフィールドもワラビーが似合う高校生だった気がします。そうだ、今度、誰かに「世界終末説」を唱えられたら、「でも、ホールデン・コールフィールドは16才のまま、永遠に生きているんですよ」とさらにワケの分からないことを言って、勝負に出てみようかな。

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