スティング+シャギー=44/876

スティングとシャギーがマブダチ(死語)になった模様です。最初のニュースは、シャギーが隔年で主催しているチャリティー・コンサート、「シャギー&フレンズ」にスティングが出演したこと。ファースト・シングル“Don’t Make Me Wait”がドロップされたと思ったら、スティングのグラミー授賞式でのパフォーマンスでシャギーがゲストで登場しました。

司会のジェイムズ・コーデンを含めて、地下鉄でのスキットも。カープール・カラオケの代わりに地下鉄で歌おうとするものの、観客に嫌がられてしまいにはジェイムズが殴られ、「全く誰のアイディアだよ」とスティングが愚痴ると、シャギーが自身の最大ヒットに引っかけて「俺じゃないよ(It wasn’t me)」。ベタ。でも、笑いました。ライブを見た人は知っていると思いますが、シャギーはコメディアンの才能があります。

「シャギー&フレンズ」は、ジャマイカの小児病院、バステマンテ病院への寄付を募るために始めたコンサートで、偶数年の年明けに行うのが恒例。って、私、なぜかこのコンサートに縁がなくて。スタートしたときは「来るのならプレスパス出すけど、寄付はしてね」という、「まぁ、それはそうですよね」なメールが届いていたけれど、年末年始をジャマイカで遊び倒すスタイルを卒業した後で。クリスマスとお正月をジャマイカで過ごすのはもうとっても楽しいけど、その後、寒すぎる真冬の日常に戻るのが100倍辛くなるのです。スティングだったら見たかったなー。ジャマイカまで行かないと至近距離で見られないもの。

 

本題。この二人、すでにアルバム一枚分のレコーディングを終了しているそうです!   タイトルが『44/876』。イギリスとジャマイカの電話の国番号を並べただけ、とすぐに気がつくタイトルです。スティングが66歳、シャギーは49歳。少し歳は離れているけど、気が合うのはわかる気がします。二人とも長年、トップに立つだけのしたたかさと、少年のような素直さを持ち合わせています。シャギーは完全に「陽」の人です。なんども会っていて、スタジオやPV撮りなど素顔を垣間見られる機会もあったから、言い切れます。スティングは、ソーホーのレストランで見かけただけ。 “Every Breath You Take(みつめていたい)”とか怖い歌詞も書くし、今のラブラブの奥さんは前の奥さんの親友だし、一筋縄ではいかないでしょうが、いま生きている最高のシンガーのひとりであるのは間違いありません。

その、スティングがジャマイカで弾けました。

キングストンのハーフウェイ・ツリーやダウンタウン、ヘルシャ・ビーチではしゃいでいるスティングの表情を見てください。突き抜けるような青空を切り取るのがジャマイカ撮影の基本ですが、曇り空で撮っているのでタイトなスケジュールの中、勢いで敢行したのでは、と察しています。

曲はシンプルなラヴソング。ひねりはないけれど、スティングの繊細で切ないヴォーカルがすてきで、ブルーアイド・ソウルならぬ、ブルーアイド・レゲエの極み。ボブ・マーリーの“Turn Your Light Down Low”によく似ていますよね。それも含めて、丸ごとレゲエ・アルバムを作るのは、ジャマイカの宗主国であるイギリスで、 ティーンエイジャーの頃からレゲエに触れてきたであろう、スティングが長年、やりたかったことなんだろうな、と思います。ローリング・ストーンズのミック・ジャガーやキース・リチャーズもレゲエ(とボブ・マーリー)にコンプレックスに近い思い入れがあって、レゲエに取り組んできましたが、今回のスティング(とシャギー)は、もう少しさらりとやってくれそう。ロビー・シェイクスピアなど一流レゲエ・ミュージシャンも参加しているらしいです。

4月20日発売、というのも粋ですね。超スーパーウルトラ楽しみです。