ビヨンセのライヴDVD試写会こぼれ話や。フランク・オーシャン(フランク海洋。)のライヴがとても楽しかったことや。ヤング・ジーズィーの自伝映画の試写会そのものが過去へのフラッシュバックだった話や。
いろいろ書きたいことはあるのですが、うまく時間を見つけられないでいます。仕事そのものより、雑用がやたら多い師走。
今日は、最近ハマった本と、たまたま観た映画(といっても、録画したものをテレビで観たのですが)がシンクロした話を書きたいと思います。
本のタイトルは、『Power of Now』。邦題は『さとりをひらくと、人生はシンプルで楽になる』。アマゾンの書評でも多く書かれているように、邦題がよくない。というか、誤解を生む邦題です。
出版社さんは気楽な雰囲気を狙ったのだと察しますが、NY Timesのベストセラーでもある本書は、
「シンプルだけれど、実行が非常に難しい内容」であり、私みたいに何でも考えすぎるタイプの人間には目から鱗のことがたくさん書いてありました。
要は、過去も未来も、いまこの瞬間には存在しないのだから、ごちゃごちゃ思いを馳せることなく、思考にとらわれることなく、とにかく「いま」に集中しなさい、という。すとん、と納得し、今後はこの姿勢で生きて行こうと思ったほどです(単純ですね)。
もう1つは、ブラッド・ピットが主演し、アカデミー賞のノミネートを受けた
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』。
本当は、バトンではなく、ボタンさんなのですが。3年以上前の映画で、ずっと観たいと思っていました。晩夏にテレビ放映された時に録画したのを、やぁっと観られたわけです。観た人も多いかと思いますが、肉体的に時間が逆行(老人として生まれて、どんどん若返り、最後は赤ちゃんの姿でなくなります)する男性の話。幸せになりようのない設定です。おまけに、お母さんがお産のときに死んでしまったこともあり、捨て子になります。
それなのに、この主人公はその時々に与えられた状況に満足しながら、運命に抵抗することなく、でも自分の道を切り拓きながら生きていきます。
信心深い女性に拾われ(やはり助演賞にノミネートされたタラジ・P・ヘンソンがすばらしいです)、この「母親」の愛情をしっかり受けて育ったことも大きいと思いますが、映画を作った人たちの「時間」に対する捉え方も少なからず関係しているような。
私自身、『Power of Now』を読んでいなかったら、また少し違う感じ方をしていたように思います。中身が老人で、見た目は子供という終盤はさすがにかわいそうな状況になりますが、主人公の人生はとても豊かだったと思うのです。監督がデヴィッド・フィンチャーだとか、原作はスコット・フィッツジェラルドだとか(どちらも大好きです)、予備知識がないまま観たのもよかったかな。
だいぶ前に、スピルバーグxトム・クルーズの組み合わせで映画化が検討されたものの、当時の特殊撮影の技術では実現できなかったのだとか。そのあたりは、『アバター』に似てますね。
フィンチャーxブラピで実現して良かったです。スピルバーグだったら大げさで、起承転結をつけ過ぎてしまうでしょう。それだと、「いま」に生きる登場人物たちの魅力が出て来ません。久しぶりに、DVDで欲しいな、と思った映画でした。って、DVDプレーヤーが壊れてしまって、捨てたばかりだったりするのですが。おすすめの、本と映画の話でした。