VERZUZ. TV  ビーニマンとボウンティ・キラーの歴史的対決

メモリアル・ウィークエンドにあたる5月23日夜8時(日本時間では24日の朝9時)、ダンスホール・レゲエ界の宿命のライバル、2大巨頭DJがverzuz.tvで対決しました。これが、大盛り上がり。ライヴで観るのが一番、楽しいですがyoutubeのオフィシャルチャンネルにアップされたので、知っているとより楽しめる10のポイントを解説します。... Read More

ニンジャマン終身刑

オリジナル・ダンガーガンこと、ニンジャマンが2009年の殺人で終身刑の判決が出ました。パロール(保護観察がついた仮釈放)までは最低25年。 ニンジャさん、76才になっちゃいますね。 息子とその友人の揉め事に巻き込まれ、殺人事件まで発展してしまった残念なケース。2009年3月16日、数人でその揉めた相手を銃を持って追い掛け回したとき、その場にニンジャマンもいたそう。直後に逮捕され、3年ほど矯正施設に入って、2012年に保釈金を払って自由の身になっていました。刑が確定していないうちは、罪人ではないので。息子をかばっただけで、ダンガーガンは関係ない、という話もありましたが、目撃者がいるらしいのでひっくり返すのは難しかったようです。 99年には銃器の保持で刑務所に入っています。その時は、出所したあと「本名のデズモンド・ヴァレンタインでゴスペルだけ歌う」と言って話題になりました。あっさり撤回しましたが。 そして、今回の事件。息子とその友達も終身刑、パロールまで15年の刑。 判決を言い渡された際、 ニンジャさんは裁判官に「よし、わかった」を意味する親指を上げて応えたそう。 そんな時にかっこつけなくてもいいのに、と思いますが、生きるレジェンドとして、親指の一本や二本、上げとくのがニンジャマン。 80年代後半から90年代初期までシャバ・ランクスとスーパー・キャットの3人でトップに君臨しました。二人のようにUSのレコード会社とメジャー契約、インターナショナル・デビューをしていないので、世界規模の知名度は低いです。 でも、ダンスホールの一時代を築いた大御所としてジャマイカとレゲエ・コミュニティーで崇められ、特にDJクラッシュの王者として、有無を言わせぬ戦績の持ち主。 あと、かなり暗いステージでも、迫力のある写真が撮れるフォトジェニックな人。 ところで、亡くなったリカルド・ジョンソンさんのニックネームがあろうことかRickey Trooper。そう、日本になんども来ているクラッシュ・セレクターのチューパーと同じ名前。偶然でしょうか。リカルドさんはまだ20才だったそうで、小競り合いが原因でも死人が出た以上、重い裁きが下るのは仕方ないです。 獄中からアルバムまで出しちゃっているカーテルの例もあるので、ニンジャマンも音楽活動ができるような気はします。この際、二人でコラボ・アルバムを作るとか。 でも、あのキレキレのステージが見られなくなるのは、レゲエ界の大きな損失です。寂しい。 (2005年くらいかな、じゅんちゃんがニンジャさんの自宅に連れて行ってくれた時の写真) もっといいステージ写真があるのですが、ハードドライブを開ける時間が今日はないので。3回取ったインタビューも改めてまとめたいところです。      ... Read More

ウサイン・ボルトと3回遭遇

日本で観るオリンピックは、とても新鮮でした。   自国が強い競技を中心に放映するのは、どこも同じ。でも、アメリカは日本の比ではないくらい偏っていたように思います。まず、そこまでオリンピック一色にならない。一般的には野球、バスケ、アメフトの3大スポーツの方が関心が高く、そのまま競技を流しても高い視聴率を望めないのか、妙な盛り上げ方をします。放映権も、日本のようにばらさないでNBCが独占しています。   他局のドラマやリアリティ番組に対抗するためか、それまでの成績を元に、決まった競技の決まった選手を中心にストーリーを作り上げて、変なドラマ仕立てにする。開幕前の特番ならわかるのですが、会期中でも競技の中継時間を削って『アメリカン・アイドル』ばりにその選手の生い立ちを紹介します。先のロンドンでは、女子の体操がそうでした。そのドラマで「脇役キャラ」を与えられていたギャビーことガブリエルちゃんが大活躍したものだから、慌てて筋書きを変えてなんだか白けたのをよく覚えています。今年も身長145センチのシモーネちゃんが活躍したようですが、日本で体操といえば男子しか話題にならないので、きちんと見られなくて、残念でした。   日本人選手の活躍ももちろん見たいけれど、純粋に世界のトップクラスの戦いぶりを淡々と映す番組があってもいいと思うのですが、どうでしょう?   あ、例外が一人いますね。スーパースターのウサイン・ボルト選手。   ウサイン・ボルトの個人金メダルは想定内として、400メートルのリレーではぐっと来ました。アサファ・パウエルやヨハン・ブレークら、キャリアの長さが近い盟友たちと走り切って、みんなで有終の美を飾った気がして。アサファ選手もたぶん最後。ボルト選手の前に「世界最速」の称号を持っていたにもかかわらず、ずっと運がないイメージだったので、最後は団体とはいえ金を手にできてよかったです。   ボルト選手は、3回見ています。最初は、ニューヨークでプーマのサイン会。すごい人だかりになって、入場制限がかかっていました。イベントのDJ(レゲエだからセレクター)が友達だったので潜り込めたけれど、さすがにサインは遠慮しました。飄々とした雰囲気の人でしたよ。サインに飽きたら真剣な顔でスニーカーを試していたのが印象的でした。2回目はキングストンの競技場で。走るところは見られなかったけれど、遠目で見ても体がしなやかなのが見て取れました。3回目は、空港。ほかのジャマイカ人より一段を黒光りしていて、練習量がすごいのだろうと思った記憶があります。そうそう、キングストンにか彼が関わっているトラック&フィールドというレストランがあります。   ジャマイカの血が入っているケンブリッジ飛鳥くんと並んで走ったのも見ものでした。ジャマイカに住んでいる、日本人の友だちの多くが飛鳥くんを知っているそうで、話を聞いていたので、親近感があります。 ジャマイカの国の大きさを考えたら、陸上競技であれだけ勝ち続けるのは驚異的です。   その理由を、2014年に出版した『まるごとジャマイカ体感ガイド』に書いたので、興味のある人はチェックしてみてください。  

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Chronixx on Summer Stage!! その2

クロニクス・オン・サマーステージ、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーが来て大盛り上がりだった一件が大ニュースになりましたねー。(って、私も最初のtweetはそれだったけれど)。 サマーステージは最初の3曲だけ撮影できるので、その後はステージの真横で見ていて、ちょうどミックさんが隠れてしまう角度だったのが残念です。ちらっとでもいいから拝みたかったなぁ。 現象と呼んでも差し支えないクロニクス人気については、まだ書いていないインタヴュー記事に取っておくとして(いろいろ、諸々のタイミングの問題です。近々書くので、楽しみにしていて下さい&ごめんなさい)、本日は、 実はオシャレだよね、クロニクス君!という角度から攻めてみたいと思います。 ほら。
  ラスタカラーを帽子とパンツ、靴で表現しているんですねー。パンツもいい赤だし、シャツが茶色いドットというのも素敵。 もう一枚行きましょうか。
  これは、Groove in The Parkのときの写真。 同系色でまとめています。これではよくわからないけれど、パンツは小さい刺繍入り。 いま、iPhotoで拡大したら、キリンだったー! 私もキリン、好きです。動物園で一番、長く眺める動物。ついでに書けば、動物園や美術館でほわーっと見入っているときに急かされるの、苦手です。 あ、話が逸れた。 もう一枚、お気に入りのショットを。
  後ろのモニターと動きが微妙にズレている。時間差があるんですね。 この2回とも、「アルファ&オメガ」から始めて、「ビハインド・ザ・カーテン」で締めるセットリスト。途中で、スーパー・キャットの「ドン・ダダ」もやるんです。うん、それもセンスがいい。21才という若年のせいで、ポッと出に取られるクロニクスですが、子どもの頃からずーっとマイクを握っているベテランでもあり。 最近、「継続は力なり」は、本当だなぁ、と思うこと仕切り。「やっぱり、急に始めてもすぐに成果は上がらない」と言っていた人がいて、「どれくらい期間が必要だと思う?」と聞いたら、「5年」という答えで。そのときは、そんなに長く? と思ったけれど、5年てすぐですよね。 縁や運、タイミングも大事だけれど、私自身「コツコツ」が苦手だけれど、たしかに「気がついたら長くやっていた」というケースが最強かもしれません。ハイプやバズ(buzz)は一瞬しか持たないし。 サマーステージでホストを務めたRice & Peasの面々の活躍を見ながら、同じことを思っていました。
  この人たちも、第一月曜日のダンスを長ーく続けて、いまがあります。もう10年前くらい続いている長寿ダンス。その間、何回も場所が替わりました。Sohoのラウンジが毎回盛況だったのに、お酒の飲み方を知らない酔っぱらいが大暴れして、ボトルを割るわ、テーブルを割るわの出来事でパーティーができなくなっちゃったり(その場にいました。怖かった)、いろんなトラブルを乗り越えて、ずっと続けています。 「いいコンサートだねー。大変だったでしょう?」って声をかけたら、DJ Gravyが遠い目をして、「You have no idea(想像を絶するよ)」と答えたのがおかしかったです。 4時半にはゲートが閉まって、1000人以上の人が入れなかったとか。クロニクス人気、すごいです 。 さてさて。こちらもそろそろ発売です。 『まるごとジャマイカ体感ガイド』
  金曜日の夕方に届いたときは、珍しく自分のことで「ウェーン」と声を出して泣きました。 2ヶ月半くらい、本当に間に合うのかと思いながら、ずっと緊張して取り組んでいました。最後の1ヶ月は、3時間以上続けて眠れなかったくらい。「これって、胃潰瘍直行コース」と気づいて、急に「胃にやさしい食べ物」をググったり。 ひとりでも多く、ジャマイカに興味を持ってくれる人が増えますように。... Read More

『まるごとジャマイカ体感ガイド』

サンフェス観てますよー。 って変な時間に寝落ちしちゃったから、楽しみにしていたAlkalineは見損なっちゃったのかな。はい。今日は大事なお知らせがあります。 ジャマイカのガイドブックを書きました!
  7月30日に、スペースシャワー・ブックスさんから出ます。 タイトル:『まるごとジャマイカ体感ガイド』 著 者:池城美菜子 発 売:7月30日 体 裁:A5判/144頁 価 格:定価(本体1600円+税) ISBN:978-4-907435-30-1 発 行:スペースシャワーネットワーク 五感に訴えるジャマイカ・ガイドがコンセプト。写真が多くて、見やすいタイプ。 <内容> 第1章 Touch/触 体で感じるジャマイカ 無人島ライム・キーでちっぽけになってみる/レゲエの神様 ボブ・マーリーのスピリットに触れる旅/ジャマイカ・ベスト・ビーチ6選/リオ・グランデのいかだ下り/カジノ体験 第2章 Smell/嗅 カリブの香りを楽しむ ブルーマウンテン・コーヒーを究める/アプルトン・ラム・エステートとラム・ガイド/ジャマイカのアロマテラピー~スターフィッシュ 第3章 Sight /見 ジャマイカを多角的に見てみよう <ジャマイカの4大都市を行く> キングストン:ナショナル・ギャラリー/レゲエ名所 モンティゴ・ベイ:ローズホールの白い魔女/ラスタ・ヴィレッジ オーチョ・リオス:ダンズ・リヴァー・フォールズ/007気分で洞窟探検 ネグリルでのリックカフェでカリブいちの夕日を眺める ポートアントニオ/トレジャー・ビーチ/温泉 (コラム)最新ジャマイカン・ドリームはトラックの上第4章 Taste/食 ジャマイカ丸かじり ジャーク・チキン徹底解剖 /メイン・ディッシュ5選/シーフード三昧/デヴォン・ハウスのアイスクリーム 全フレーバー制覇!/広がる日本食/エキゾチックな果物 第5章 Hearing/聴 音を浴びる キングストン・ダンス・ガイド/ビール・ガイド)/サンフェスの楽しみ方/主要コンサート年間ガイド/クラブ、バーでのお酒の頼み方 などなど…という感じです。 まだ行ったことのない人はもちろん、何回か行っている人でも「え? こんなところあるの?」な情報も入れました。 ページもちらっとお見せしましょう。
  あるようでない、ジャマイカのガイドブック。私自身、作っていて楽しかったので、なかなか面白く出来上がったかな、と自負しています。 ぜひ、手に取って下さいませ。... Read More

レゲエの仕事をするために、一番、絶対に大切なこと。

2014年に入って2週間以上が経ち、おめでとうの挨拶もだいぶ間が抜けているので……今年も、どうぞよろしくお願い致します。とだけ。 12月の半ばに大風邪を引いたのが祟り、年始年末はとっても地味だったけれど、いまの自分に必要な時間だったと気づいたので、結果オーライです。 うん。突っ走っているだけだと、周りの景色も足下の状況も見えないものね。 高熱を出すと、ふだんはそのままになっている毒素も殺せるそうです。バンバン殺した感ありあり。体の毒素は抜けましたが、今年一発目のブログはちらっとね、毒を吐こうかなぁ、と。 でも、いい毒よ。たぶん。 去年は、日本のレゲエ・シーンを間近で見る機会に恵まれ、どうしても現場を仕切っていたり、曲を配信していたりのおっさんチーム(へへ。私に言われたくないね)との話は、 「いま流行っている日本のレゲエは、本当の意味でレゲエか否か」 に流れがちで。その中で、 「外国の食べ物、例えばイタリアンが日本に入って来るときは、日本人の口に合うように変わるように、音だって日本人の耳になじむようになってもいい」 という意見があって、そういう見方もあるかな、と思いました。 ただですね、こちらの和食屋さんで天ぷらを頼むと、エビ天のほかの野菜がほとんどブロッコリーで蓮根も茄子もなし、という「なんじゃこりゃ」な代物が出て来ることがあります。 「違うから。君は断固として正しい天ぷらじゃないから」 と、心の中でダメ出しをしながら、一応、食べ終えます。アメリカ人の口に合わせたのかもしれないけれど、やっぱり偽物だと感じてしまう。だから、日本のレゲエもふつうのジャマイカ人に聞かせてどう思うか、で判断するのはどうか? とも考えましたが、日本語で歌っている時点でひるむか笑うかして、終わってしまうような。 私は、ダミアン・マーリーの“Affair of the Heart”さえ、音楽理論から行くと、ギリギリレゲエではない、と考える原理主義者なので、どう判断しているかは控えます(どうだっていいしね、実際)。 (去年、撮った中でお気に入りの一枚を公開しますです。ダミアン、セラシエ様を背負ってます)
  先日、ひょんなことからジャパンスプラッシュをまとめていたソニー落合さんakaさぶさんとやり取りをする機会があって、思い出に浸っているうちに自分のルーツを思い出したので、それを伝えようかなぁ、と。 90年代。 ジャパスプラッシュをやっていたタキオンは、RM(レゲエ・マガジン)の発行とナーキさんのマネージメント、それからタキオン・レコーズというレーベルもやっていました。 学生時代、私はスカとロックステディの7インチを集めていたので、入社して半年もしないうちに、タキオン・レコーズのプロデューサーでもあったさぶさんに、次の、とっても大胆な発言をしたのです。 「私は日本のコレクターが血眼で探している、ファースト・プレスしか存在しないレア盤をほとんど知っている。そういう曲ばっかり集めてCDにしたら、絶対に売れる」 いやー、若いって怖いですね。こんな思い上がった台詞に対して、さぶさんから返って来た言葉。 「うん。わかるよ。池城君がそういう曲を知っているのも信じるし、作ったら売れるんだろうなぁ、と思う。でもね、そういうアルバムを作っても、歌ったシンガーにも曲を演奏したミュージシャンにも全然お金が入らないんだ。だから、俺はやらないよ」 スカやロックステディの時代はクレジットがぐちゃぐちゃだったうえ(ほとんど、お金を出しただけのプロデューサーが権利を持っています)、転売を重ねているので当のアーティストには印税が入らないのです。 さぶさん、このとき、まだ30代後半。 ビックリして、無知な自分が恥ずかしくて。私は、このときの情けない気持ちを一生忘れないでしょう。以来、レゲエに関わるたびに、 「これは、ジャマイカのためになるのかな」 と、考えるように心がけています。ほんのちょっとでも、間接的にでも、プラスならやるべき。利益が大きくてもマイナス要素があるなら、やらない。 ジャマイカ人のビジネスのやり方はエグいから、そんな綺麗事を言っていられない場合もあります。私なんかより、大きな仕事をしている人ほど、その思いは強いでしょう。でも、やっぱりレゲエは小さな貧しい国の音楽なのだから、 この姿勢だけは、絶対に大切。 「レゲエ」の看板を出している日本人が全員、そういう気持ちを持ったら、日本のレゲエ・シーンにとってもいい結果が待っている気がするのですが、どうでしょう。... Read More

テッサーン・チン、The Voice優勝!

テッサーン・チン(発音が難しいですね。人によってはティッサーンになる)があと20分で「ザ・ヴォイス」で優勝する、という前提で書き始めました。 すでにシンガーとしてプロだった彼女が、あえてアメリカのオーディション番組にいち出場者として出る。 以前も書きましたが、セミプロも多く出る番組なので、そのこと自体は問題ないです。 それより、本戦に出ると、毎回10億人以上に彼女の歌声が届く。それが、重要。 私はこういうオーディション番組を含めて、リアリティTVが苦手であまり見ません。今回もきちんと見たのは最初の回と最終回だけ(その間、1ヶ月弱日本にいましたし)。「アメリカン・アイドル」が社会現象になったときは、仕事のために見ないといけないかな、と思ったけれど、どの番組もシーズンの優勝者をデビューさせるものの、その中でずっと長く活躍する人はひと握りなので、仕事には差し支えありませんでした。 だから、彼女がどんな人たちを相手に勝ち抜いてきたかは知らないし、パフォーマンスをネットでチェックしたくらいなので解説はできないです(No Doubtの“Underneath it All”はよかったですねー。本家よりも肝の座ったレゲエでした)。 あ。レディ・ガガとクリスティーナ・アギレラが一緒に歌っているのに、明らかに仲が悪そう(ってか、ガガさん顔が引きつってる。この人の歌には何も感じませんが、いい人なんだろうなぁ、と時々思う)。 えーと。結局、最後までコンピュータの前に戻らずに見てしまいました。 わーい。テッサーン優勝!! 昨日のホィットニー“I Have Nothing”のパフォーマンスを観て、勝ちを確信しましたが、やっぱり決まるとうれしいですねー。ジンと来ちゃった。ジャマイカの人たちも大騒ぎでしょうね。ここ数週間、月曜日になると「みんなでテッサーンを応援しよう」みたいなメールが知り合いのパブリシストさんたちから届き、それによるとあちこちで集まってみんなでテレビを見ながら応援するパーティーをやっていたみたい。もう国のヒーローはウセイン・ボルトかテッサーン・チンか、という騒ぎでした。 アメリカにはプロの歌手が出て歌うような番組はひとつもなく、この手のオーディション番組が唯一の音楽番組です(オーディション番組は「Xファクター」を含めて3つあります)。一時期よりは視聴率が落ちたとは言え、10億前後の人が見るのはやっぱりスゴいし、インターネットでさらに多くの人が見ていることを考えると、テッサーンは世界規模で「ジャマイカの歌声」を届けたわけで、勝ち負け以上にそれが快挙でしょう。 昨日、アコースティック・ライヴを見てきたロメイン・ヴァーゴやクリストファー・マーティンは、アメリカン・アイドルのジャマイカ版「ライジング・スター」の勝者だし、イギリスから始まったオーディション番組のブームにジャマイカもしっかり巻き込まれた、というか、いい形で乗ったように思います。 ジャマイカ人でも必ずしもレゲエ・バージョンを歌わなくなったのも、この流れです。ロメインもクリストファーも、サム・クックやマーヴィン・ゲイはそのままのアレンジで歌うし、テッサーンに関しては、最近はロックを目指していたので、今回も何を歌っても自然でした。 先ほども書きましたが、デビューしても番組での熱気を持続できずに、そのまま消えるケースも少なくないのが、オーディション番組の優勝者たちです。テッサーンもこれからが勝負。でも、そんなこと、彼女自身が一番わかっているでしょうし、元々のファンはこれからも変わらず応援するだけの話ですよね。シーズンの途中で負けてもスターになったジェニファー・ハドソンみたいな例もあります。 もう一つ、大事だと思ったこと。テッサーンが今回アメリカのテレビで活躍したことで、ジャマイカの標語「Out of Many, One People」が、実感として世界に伝わったのもとても素敵でした。「出自はいろいろでも、ジャマイカ人はひとつ」。そういう意味です。ジャマイカは確かに肌の茶色い人が多いですが、よく見ると本当にいろんな人がいますから。テッサーンはお父さんが中国系でお母さんがイギリスの白人。お姉さんのタミよりアジア系の血が強く出ていて親近感が涌きます。 タミの取材の際に彼女たちの家に行ったら、地下にリハーサルのスペースまであるスタジオがあって、びっくりしました。お父さんも音楽をやる人で(本職は実業家だそうですが。アップタウンの人たちです)、ふたりの娘の音楽教育に力を入れた結果が今回、大きく実を結びました。そのとき、タミちゃんの写真はいっぱい撮ったのですが、テッサーンは「シャイだから」という理由で出て来てくれなかったんですよね(寝起きだったらしい)。残念。 日本のレゲエ・シーンにも、いろいろな出自の日本人がいます(在日、という言葉は日本で生まれて教育を受けて、税金をきちんと払っている人に対してちょっと失礼な言葉だと私は思っています。韓国系日本人とか、中国系日本人という言い方が定着すればいいのに)。Mighty Crownとか、Fire Ballのリー君とかプシンさんとかも、そのままで勝負していてポジティヴ。 パスポートの種類や「格差」なんて言葉で分けてしまうより、日本も「Out of Many, One People」の精神を取り入れた方がいいのになぁ、とちらっと思いました。... Read More

ジャマイカなう。2

蚊との闘いに負けてる朝方です。眠れん!! サクッと今回の旅の新発見、新スポットを。まず、マーケットプレースのあるサフラン。インド料理屋の店です。マーケットプレースには、和食のEastがあるので、知っている人も多いでしょう案外、みんなが知らないのは、中庭のスペースではどのレストランから注文してもいいこと。つまり、一緒に行った人と食べたいものが分かれた場合、それぞれインド料理/中国料理/和食/イタリアンからオーダーしてもいいのです。
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 チキンとカシューナッツ、フェヌ・グリーンのココナッツクリーム煮 めっちゃ美味しかったです。たぶん、カロリーはだいぶ高めでたくさん食べられませんでした前菜のサモサもサクッと揚がっていておいしかった。実は、前にとき、日本人としては「絶対なし」なレベルまでサーモンに火を入れていてマズかったので、しばらく敬遠していました。「お店の中身が変わったから」との説得に応じてよかったです。 友達がのアメリカ人が食べていた焼きそば風の麺は、ふつーでしたが。 次はネイル/マッサージ/フェイシャルができるディーヴァ・サロン
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マニキュアとペディキュアで2000ドル。チップは10 %にしたかな。NYよりずーっと丁寧なので、ジャマイカでネイル・サロンに行くのを楽しみにしています。 とくにペディキュアは価値があると思います。男性でも爪をきれいに整える目的で行く人は多いんですよ。ジャロンちゃんも「3割は男性客」と言っていました。 TGI フライデーの裏にある新スポット。ニューヨークに戻った気分。
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 こんなワイン売り場があったり…
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 パンが選べるサンドイッチやラップがあったり…
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 上はおしゃれ系バーのCRU。 雰囲気が良かったです。 アップタウン系はいろいろできてますねー。 って、フツーにジャマイカン・フードも食べてますよ、私 野菜不足を解消するために、スムージーを作るミキサーを持って来たのは大正解でした。 おまけ。ルート・タクシーで同乗したスーパーかわいいベイビー♡
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ジャマイカなう。

先週の木曜日からジャマイカに来ています。 今回はジャマイカの偉人軍団に出迎えてもらいました。
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  東南アジアにもありそうな人形? ハリボテ? 暖かい島々の人たちの美的感覚って似ている、と思うのは私だけでしょうか。 私はきれいに整った芸術作品にも美を感じますが、こういうユーモラスなものも大好き。生命力が宿っている気がして。
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ホープ・ロード沿いのゲストハウスに着いて、早速近所のモール、ソブリンへ。アップタウン系。で、コスメのMACが進出していました!!!( ̄□ ̄;)お化粧の濃ーーい店員さんがいっぱいいるのはNYと一緒。お値段はさすがにアメリカよりは高いけれど、日本よりはたぶん、安いです。忘れ物をしたときに便利ですね。   2月はブラック・ヒストリー・マンス/レゲエ月間。それを狙って来ました。夜は解放公園で行われた携帯会社、Digicelのボブ・マーリー・トリビュート・コンサートへジャマイカで話題をさらっているクロニクス。この日もがーんと盛り上げていました
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念願のステージが早速見られて嬉しかったー。ほかの出演者はルータン・ファイアー、ティファちゃん、ルシアーノ、ケイプルトン、アイ・オクテーン。ティファちゃんとアイ・オクテーンはDigicelのイメージ・キャラクターも務めています。クロニクスが早いうちに盛り上げたせいか、みんな気合いが入ったパフォーマンス  
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一番持って行ったのは、ケイプルトンでした。メラメラ 05年くらいまでのヒット曲ばかりでも、確実に爆発させるところがスゴいです。衣装も金と銀のスパンコールでキラキラ。それが反射板みたいになって、フラッシュ要らないぜー、みたいな。主旨をふまえてクロニクス以外はボブ・マーリーの曲を1曲ずつ。ルータン・ファイアーは「Exsodus」、ティファは「Turn Your Light Down Low」、ルシアーノは忘れて(ごめんなさい)、ケイプルトンは確か「Iron Lion Zion」、アイ・オクテーンは「No Woman, No Cry」。らしい選曲ですよね
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そうそう、ソブリンでディカフェのブルー・マウンテンをとうとう発見!!ずっと待っていたので、これも嬉しかったー 。画家のレーコさんから存在は聞いていたのですが、見たのは初めて。早速、飲んでいます。合格。いっぱい買って帰ろうっと。ディカフェって、カフェイン少なめという意味で、入ってないワケじゃないんです。だから、言わないと気がつかない人もけっこういるんじゃないかな  
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翌日は、フォート・クラランスのほとんど無人のビーチへ。新しい友達ができるのも、旅のいいところ。マイアミやLAに知り合いが出来たのもよかった。Ivanの4年越しのダンスコンテストへのチャレンジ、優勝の話も本人から聞けてぐっと来てしまいました   簡単なコトじゃないもの。私は2年目の大会しか見ていませんが、それでもそれはハッキリ言えます。昨日からネットのつながり方が遅く、iPhoneから少なめに写真をあげているため、この辺で   って、まだ二日分だわ。 ... Read More

ジャマイカに行ってました。

…って5日間だけですが。今回はしっかり出張系。ショーン・ポールのオフィシャル・インタヴュー/通訳のお仕事。 ショーンさんのことを書いたり、訳したりするのは、ライフ・ワークになりつつあります。「レゲぶろ。」向きのトピックかなぁ、と思いつつ、今回のアルバムはスターゲイトにリコ・ラヴ、そしてベニー・ブランコとR&B/ポップ・フィールドのプロデューサーがたくさん参加していて、結果、音もそちらの寄りのダンスホールになっているのと、私個人が感じたことを記したいので、こちらで。 ジャマイカは1年半ぶり。私にしてはめっちゃ間が空きました。前回行ったときより、街が落ち着いている印象を受けました。去年、行かなかった大きな理由は、「NYを出るなら、日本が先でしょ」との思いがあったから。結局、里帰りするタイミングも逃してしまい、どこにも行かない1年になったわけですが。 マイアミ、ジャマイカと旅行(出張)をしながら、日本のことをよく考えていました。 白状すると、私、ビビっているのです。私が知っている、私が生まれ育った国が、違う場所になってしまっているのではないか、と。その変わった様を、きちんと受け止められるかどうか、不安なのです。外国人をやっていると、祖国を美化する傾向があります。きらいで出たわけではないから、自分の基盤となる国は、しっかりしていて欲しい。その気になれば帰れるんだ、という支えも欲しい。 今年の早いうちに里帰りする、と近い人に宣言しつつ、なかなかチケットを取れないでいたのですが、ジャマイカにいる間に何かが吹っ切れたみたいで、今は、とても楽しみにしています。たくさんの人と、話をしたいです。 写真は、無人島のライム・キーの海。2時間いただけで、スキッとしました。
池城美菜子的紐育日記~Minako Ikeshiro' s NY Journal
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