ジャスティン・ビーバー 『Justice』全曲解説

「ジャスティンは、アーバンです!」。2012年11月、ジャスティン・ビーバー「Believe Tour」のニューヨーク公演にレコード会社さんに招待された際、耳にした言葉です。音楽ライターとしての守備範囲がちがったのでお役に立てないかも、と迷った末、「私、アーバン系のライターなので‥」とやんわり辞退しようとしたら、担当者さんが言い切った。そのとき、私はつい吹き出してしまったんですよね。アッシャーが見初めてデビューにこぎ着けた逸話は知っていたものの、当時のジャスティンの人気ぶりは、本来、アメリカには存在しないアイドル的なものだったから。... Read More

マライア・キャリーの自伝『The Meaning of Mariah Carey』が邦訳されるべき6つの理由

「マライア・キャリーは、黒人である」。これを読んで驚く、日本のファンはまだ多いでしょうか。正確には、アフリカ系の父と、アイルランド系の母をもつ、バイレイシャル––「ハーフ」という言葉は少しネガティブな響きを含むので、私は「バイレイシャル」が定着してほしいです––つまり、ふたつの人種に属する人で、  先日、全豪オープンを制した大坂なおみ選手や、バラク・オバマ元大統領もそう。昨年の12月に発売以来、ファンの間で大反響を巻き起こしている自伝『The  Meaning of Mariah Carey』(直訳;マライア・キャリーの意味 意訳;マライア・キャリーであること)は、その前提をまず頭に叩き込んで、彼女の子ども時代の苦労も、ヒップホップ・カルチャーへの思い入れも理解できる構成になっています。... Read More

Super Bowl の経済学;The Weeknd「自腹7億円」は不足分の補填、そして赤いジャケットの秘密。

The Weekndのスーパーボウル・ハーフタイム・ショー、観ました? よかったよね?  よかった、よかった、で済ませてもいいのだけど、いくつか付け足したいことが。地元タンパベイ・バッカニアーズがカンザスシティ・チーフスを降しましたが、The Weekndこと、エイベル・テスティファイにとっても「負けられない」夜でした。... Read More

3度めのメランコリー『Man of the Moon 3 ; The Chosen』「男の子でしょ、泣きなさい」と教えてくれたキッド・カディ

47.7才シリーズでNas『 The King’s Disease  』を書く準備をしていたのが、12月11日、キッド・カディが出発点である『Man of the Moon 』シリーズの3作目をリリースしたので、カディ応援団団長(自称・非公式)としては、こちらを先に。... Read More

Verzuz.TV テディVSベイビーフェイスの次はエリカVSジル

コロナ禍による自主隔離期間が長引くなか、インスタグラムやyoutubeで多くのアーティストがライヴ配信をしています。なかでもここ最近、大きな話題になったのがVerzuz.TVと銘打った対決シリーズでの、テディ・ライリーVSベイビーフェイス。Verzuz.TV はインスタ上でつないだふたりのミュージシャンがお互いの関わった曲をかけ合って、どちらが強いか競っていくルール。合間に思い出話や、相手の曲への感想のおしゃべりが入って楽しいです。テディさんとベイビーフェイス師匠は1980年代以降のブラックミュージックの土台となったふたりの登場とあって、注目度は抜群。... Read More

The Weeknd 『After Hours』のヴィデオ観た?

The Weeknd の4年ぶり4作目『After Hours』の快進撃が止まりません。ビルボードのHot100にアルバムの収録曲ぜーんぶ(!)14曲がチャートインしている異常事態。アルバムチャートも当然、1位。日に日にサバイバル・モードが強まる今日この頃、彼の美声はとてもありがたい癒しだから、納得です。同じ3月21日にリリースされたChildish Gambinoの新作は全曲解説をきちんと書いたので、このブログは軽くThe Weekndが昨年の12月から順番に公開している連作ヴィデオをナヴィゲートしますね。これが、よくできたホラーなコメディ。そうそう、4月17日に発売される日本盤で、先行リリースされた3曲以外の歌詞対訳を担当しました。だから、まぁまぁ詳しいですよ。... Read More

最高のクズソング2トップ 歌詞解説Pt.1 070Shake

ここのところ、本来の自分を見失いそうなほど、まじめな原稿をまじめに書き続けてしまいました。このブログでは、自分も読む人も息抜きできるよう、最新クズソングと2010年代最高のクズソングを愛を込めて訳し、解説しようかと。「クズソング」を定義すると、「自分の弱さ、ダメさ加減を包み隠さず歌っている曲」になります。クズソングの名曲は、なぜか一緒に歌うとスカッとします。... Read More

2019年にアリアナ・グランデ『thank u, next』が聴かれまくっている理由。

アリアナ・グランデの新作『thank u, next』が、もう大好きです。2月にリリースされて以来、ずっと聴いている。実は、このアルバムはアメリカほか全世界でもぶっちぎりで聴かれていて。リアーナとドレイクが持っていた最多ストリーミング回数の記録を抜き、ビルボードのホット100ではトップ3を同一アーティストが独占という、ビートルズが1964年に打ち立てた記録を半世紀ぶりに達成。... Read More

『サバイビング・R.ケリー』を観て。

『サバイビング・R.ケリー』、観ました。6回シリーズ全部。哀しくて辛くて、エピソード5では号泣して、どっと疲れたけれど観てよかったです。フライング気味で予測すると、9月に発表されるエミー賞(テレビ/配信版アカデミー賞)のドキュメンタリー部門は、制するんじゃないかな。... Read More