ブジュ・バントン 再審要求 逆転無罪の可能性は?

獄中にいるブジュ・バントンの状況に進展がありました。ちょっとややこしいので、噛み砕いて説明しますね。

ブジュは、09年にコカイン取引計画関与、未遂の罪、銃器の違法所持で逮捕されました。その後、なかなか裁判が始まらず、自宅拘留になった時期もあるので、裁判が始まれば無罪になるという見方が強かったのです。
1回目の裁判は、12人の陪審員の判断が引き分けとなって判決が降りませんでした。

このときに争点になったのが、ブジュはインフォーマントと呼ばれるプロの告発屋(チクリ屋、ですね)によるおとり捜査にひっかかり、検察側の証拠がブジュのチクリ屋との会話と、取り引きのコカインの品質を確認するためになめている映像のみしかなかった点。チクリ屋自身が元犯罪者で、この件で5万ドル(約500万円)をキャッシュで受け取っています。商売ですよね、ハッキリ言って。

ブジュは電話でその気があるような発言をしただけで、実際にお金を動かしてないし、最終的には手を引いています。
民間人から選ばれた陪審員の半分が「それだけでは有罪ではない」と判断したわけです。

2度目の裁判で、コカイン取引計画関与、未遂の件で有罪、それぞれ5年ずつで10年の刑が確定、銃器の違法所持は無罪となりました。今回、問題となっているのが、2度目の裁判で新しく選ばれた陪審員の中に、裁判中は禁じられているインターネットでの検索をした人がいたこと。このテリー・ライトさんが、この件を地元タンパの新聞記者に話したことから、これは不正裁判ではないか、とブジュ側がやり直し裁判を要求し、今日、やっと審問が行われました。

やり直しを要求すると、最初に無罪になっていた銃器の違法所持も逆転される可能性もありました。最悪、5年が加算されるわけです。
今日の審問で、裁判官は銃器の違法所持の判決は無罪のままと判断。陪審員の女性がインターネットを使った証拠が確認されて、ブジュ側は最初の裁判を無効とし、再審要求をする構えになりました。

ブジュにとって、大前進です。

なぜ、ここまでひっくり返るかというと、裁判において不正があってはいけない、という大前提がひとつ。それから、2回目の陪審員たちも当初、ブジュに同情的だったらしいのです。それが、連休中にこの女性がネットを使ってブジュを調べた結果、有罪の方向に説得する立場に回って、それが裁判の結果に大きく影響したと言われています。

私たちレゲエ・ファンにとっては、名曲の数々がある大スターのブジュですが、アメリカでネット検索をすると、ゲイ・バッシングのリリックを広めた筆頭アーティストとして上がって、どうも旗色が悪い。憎まれっ子に映るワケです。
(と書いたところで、ひとつだけ。私個人はゲイ・バッシングのリリック自体は、レゲエから消えた方がいいと思っています。自分の考え方と相容れないからと言って、ほかの人のライフスタイルを嗤ったり口撃したりするのはおかしい。ただし、ブジュはもちろん、それだけをやってきたアーティストでは全くないから、サポートします)

今後の動向ですが、アメリカの最高裁判所に当たる、連邦裁判所での判決がひっくり返るケースは、残念ながら、非常に稀らしいのです。一番上の裁判所がミスった、というのはマズいんでしょうね。裁判のやり直しを延々と引っ張られる可能性もあります。せめて、刑期の軽減とか要求できるといいですよね。逮捕からすでに4年経っているので、仮に、例えばの話(例えば、ですよー)半分になったら、来年出られます。

ブジュに対して、なんで、チクリ屋の話に乗るフリをしたの? ハッパの吸い過ぎだったの?? とかいろいろ疑問は残るけれど、それでももう4年も辛い思いをしたのだから、十分です。

元気なガーガメイルさんの、ステージが見たいです。

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