New & Big tune!
スプラガ・ベンツ、スティーヴン・マーリー、シズラ、クィーン・アイフリカ、ジャー・キュアーというレアかつ豪華なメンツ。プロデュースはサラーム・レミ。サラーム・レミと聞くと、レゲエ・ファンでも「エイミー・ワインハウスとナズをヒット曲を書いた人でしょう」と思うみたいですが(実際、某サウンド・マンもそういう反応でした)、90年代はスーパー・キャットやパトラ、メガ・バントンらとも仕事をしていたレゲエ寄りの人。
ヒップホップのトラックを作らせても「ガンジャくさい」との形容をよくされていたし。大体、私が最初に「Hiphop meets Reggae」を意識したのは、彼が手がけたスーパー・キャットの“Ghetto Red Hot”のヒップホップ・ミックスを聴いたときで。それまで全く聴いたことのない音世界にびっくりし、さらにそれを手がけたサラームが19才の若さだったことにぶっ飛ばされたものです。
当時、私が在籍していた『RM(レゲエ・マガジン)』編集部内でもけっこうな騒ぎになり。数年後に彼が“Fugee-la”のリミックスでフージーズにブレイクをもたらしたときも、RM誌上で改めて騒いだ記憶があります。10年以上経って、ルピーのマネージャーだったヴァン・ギブスに取材を通して知り合い、その場で彼がサラームのパパであることが判明。
パパ・ヴァンは私を「私設ソカ振興大使」に勝手に任命してくれ、トリニダード&トバゴのカーニヴァルに招待するように観光局にかけあってくれたり、私は彼が抱えているソカ・クィーン、アリソン・ハインズの日本盤のお手伝いをしたりと、いい感じでおつきあいが続いています。
ちなみに、ヴァン・パパはヒップホップのファンク・マスター・フレックスや、説明不要のボビー・コンダースがキャリアを築くのにも手を貸した人で、キャットのリミックスをボビーとサラームがやっているのも、そこからの流れです。
話を“More Life”に戻すと、サラームとがっつり仲良しのスプラガを中心にしたプロジェクトのタイトル曲に、シズラ、ジャー・キュアー、クィーン・イフリカ、スティーヴンが参加した形。ホーンの入り方、子供の声、パーカッシヴなドラム・パターンが完全にサラーム・レミ仕事ですね。
もう、大好きなタイプの曲。ヒットするといいな。