Niney the Observer!

6月30日にNYエリアで今夏一発目のフェス、“Groovin’ in The Park”がありました。このコンサートは、R&Bの大物と、レゲエの重鎮を組み合わせるの特徴で、大騒ぎ系ダンスホールは基本的になし。早い時間から始まって、みんな椅子にゆっくり座ってみるタイプ(私はフォトピットで立ちっぱなし、わりとキリキリしっぱなしでしたが)。

レゲエ・サイドは、ハーフ・パイント、バーリントン・リーヴァイ、クィーン・イフリカ、サンチェス、スティール・パルス。R&Bから、パティ・ラベルと、TGT(タンク、ジニュワイン、タイリース)。

(↑ 出演順でもあります)

ドラム・セットがステージ上に4つはあったほどセット・チェンジが多く、場所が公園で終わりの時間が厳しいため、どうしても各アーティストの持ち時間が短くなりがち。ステージの前にいると、プロモーターが大ベテラン、パティ・ラベル様に気を遣っているのがビシバシ伝わって来て、さらに、時間を短くされたアーティストが怒っているのもビシバシ。

一番、怒っていたのは、バーリントン・リーヴァイとタイリースでした。マイクを握ってもプンスカ、プンスカ。みんな同じ状況で、ふたりだけ頭から湯気を出す状態になるって、見た目はともかく気性が似ているのかもしれません。
パフォーマンスはみなさん、さすがのひと言。個人的にはめったに見られないスティール・パルスがうれしかったです。
さらに、うれしかったのが!

ナイニー・ジ・オブザーヴァーさんに会ったのだーーー

チョーズン・フューのバニーさんに挨拶したら、「これナイニーだよ」とサラッと言われ、「ナ、ナイニー・ジ・オブザーバーのナイニーさんですか!」とびっくり。古いレゲエが好きな人なら、必ず通ったことのあるメガネマークのObserverレーベル。ナイニーさんは60年代後半からJoe Gibbsなどでエンジニアとして活躍、そこからプロデューサーになり、デニス・ブラウンのキャリアにも力を貸した人です。

友達のリー・ペリーのニックネームが「ジ・アプセッター」(腹が煮えくり返ってるぜー)なら、自分は「ジ・オブザーヴァー」(じっくり観察してやるぜー)で行こうと思ったとか。「観察者」らしく眼光鋭く、笑わず、イメージを裏切らない「大物感」が出ていました。おまけに、首元のネックレスがトレードマークの目ん玉でした。

「観ている」んでしょうねぇ。レゲエの楽しいところのひとつに、レーベルごとに音の感触が違う、というのがあります。楽器の音色や間の取り方で、特徴が出るというか。私は、音が詰まっていない方が好きなので、あ、この曲好きだなぁ、と思ったら、ナイニーさんが作った曲だった、ということも多いのです。カッチリしすぎないで、いい意味で「ゆらぐ」ところも好き。

すごくうれしかったのに、感動を誰とも共有できなかったのがちょっとさびしかったです。サウンドマンならさすがに知っているだろう、と、とくに仲良くないノアに話しかけても、伝わらなかったし(ああ、レーベルは知ってるよ、とは言ってましたが)。

迫力に押されて、インタヴューを申し込まなかったのを後悔しています。

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