NYは大雪です。窓からの幻想的な景色は、すてき。でも、出かけるとなるとひと苦労。それから、除雪作業の良し悪し=政治手腕の良し悪し、に取られるところがあり、昨年末にポカをやってブーイングを喰らったブルームバーグ市長が雪の度にがんばるので、冬が終わったらNYの赤字がとんでもないことになっている可能性も。
先週は、「ブルックリンとニュージャージーで100人のモブスターが一斉逮捕」というニュースが駆け回りました。要はイタリア系のマフィアで、これほどの人数が逮捕されるのは建国以来とか。頭の中で映画『ゴッド・ファーザー』か、テレビの『ソプラノ』シリーズと刑事ドラマが交差してちょっと面白かったです。
今年一発目のライヴはボビー・ヴァレンティーノ。懐かしいと呼ぶには早い、でもしばらく名前を聞いていないかな、という人ですね。でも、今日は昨年末のジェイミー・フォックスのリスニング・パーティーの話(報告が後出になってしまってごめんなさい)。
愛娘に言われて若返ってみた、がコンセプト(?)のジェイミーの『Best Night of My Life』も面白い作品でしたが、このパーティーでの私の目玉は、飛び入りしたエル・デバージ。全盛期にオン・タイムで大騒ぎしてないんですけどね、あのナヨ声は大、大、大、大好き。
どちらもスター・オーラがばっちり。
エル・デバージの16年ぶりのアルバム『Second Chance』、いいですよ(年間ベストに選ぶのを忘れたけれど)。ジャクソン家に劣らない音楽一家のデバージ家ですが、お父さんがいろんな虐待を家庭内で繰り広げたようなひどい人だったそうで、10人兄弟のうち、3人はドラッグ中毒、そのうち一人は密売容疑で投獄されるとの激しい経歴を持ちます。
エル・デバージは兄弟の中で一番有名。弟のチコ・デバージも長く細くがんばっているので、エルがマイケル、チコがジャネットって感じかな(書いていて自分でもむりがあるな、と思ったけれど、いいや)。
エルさんの音楽は、ヒップホップやR&Bでサンプリングやカヴァーされまくりなので、功績は恐らく最大でしょう。その彼も中毒に苦しんだ後、クリスチャンとして再生することでアルバムのタイトル通り、チャンスを再びつかんだから、「セカンド・チャンス」なんですね。
ミスター・ハリウッドなジェイミーも強烈なキャラクターの持ち主ですが、エルさんはたたずまいだけで人生を感じさせてしまうというか、なんとも言えない雰囲気をかもし出していました。
それでですねー。
“All This Love”を歌ってくれたんです! 目眩がしそうでした(リュダクリスが宣伝しているコニャックのせいもあったけれど。まずくはないけど、ヘネシーに比べるとグッと落ちるお味でした)。わりと年齢層が高い出席者が多かったのか、続く“Rhythm Of The Night”で大盛り上がり、パーティーのハイライトになってしまいました。
「お、俺のパーティーなんですけど!」と思ったかどうか、ジェイミー・フォックスがあわててDJに指示を出し、最大のヒット曲“Blame It”を歌い出す一幕も。
あえてジェイミーさんが二枚目に写っている写真をチョイスしてみました。ホストしたPower 105のホストの質問が今ひとつで(ちゃんと下調べしようよ、みたいな)、ジェイミーは真面目に答えるのをやめてしょっちゅう踊りながら、客席に降りてしまっていました。
そんなこんなで最後はわや。でも、とっても楽しい夜でした。バレンタイン前には、エル・デバージを復習しておくといいかもしれません。