アメリカお笑い事情。

眠る前に、忘備録的なブログを。

先週の土曜日、お友だちに誘われて、数年ぶりにコメディ・クラブに行って来ました。

コメディ・クラブは、10から20分の持ち時間で、4、5人のコメディアンが入れ替わりにスタンダップ・コメディを披露する場所。ニューヨークは入場料が良心的な設定で(客引きの人が大幅にディスカウントするケースもあり)、その代わり、ドリンクを2杯以上頼まないといけないシステム。

タイムズ・スクエアの周辺にあるのも特徴で、お客さんはニューヨークに住んでいる人より、他州や外国から来たツーリストの方が多い。

アメリカのお笑いは、『サタデー・ナイト・ライヴ(SNL)』や『MAD TV』みたいに、コメディアンがたくさん出てコントを見せるテレビ番組と、ひとりで喋りまくるスタンダップ・コメディーのどちらかで、やっているのはどちらも日本で言うところの「ピン芸人」のコメディアン。コンビやグループはなし。ノリとツッコミを全部ひとりでこなす忙しいスタイルです。

コメディ・クラブはもちろん、地方ではストリップ・クラブや音楽中心のナイト・クラブの余興として出演、キャリアを積み重ねて行きますが、クリス・ロックや故ロビン・ウィリアムズなどテレビや映画に出演する全国区のスーパー有名人になると、アリーナ・クラスの会場をソールドアウトにするので、アメリカン・ドリームを体現する仕事でもあります。性別も人種も関係なくたくさんいますが、ユダヤ系と黒人が強く、白人だとジム・キャリーのように貧しい育ちの人が多いようです。

うん、笑いには、反骨精神が必要なのですね。ネタは自虐と社会風刺、それからどちらにも被る人種ネタが圧倒的に多いです。私が行ったBroardway Comedy Clubも、アイリッシュ系の人から始まって、ユダヤ系がふたり、黒人がふたりでした。ユダヤ系のコメディアンは、賢い系とエグい系に別れる気がします。この日も、両方いました。エグい系の人は、下ねたもそうですが、観客をいじりまくった挙げ句、

「影で言ったら差別発言だけれど、目の前で笑ってやるのは自虐を含めてレイシストにならない」

と言い切ってました。まぁね、「○○系、あるある」な話ばかりで、本気でバカにするギャグはなかったので、それもそうかな、と。実際、ほかの人種の人と仲良くなるのに、自虐ネタは有効です。私も、「日本人だけど、計算弱いから」と、「外国人(私)にアメリカのこと教えてもらってるどうするの?」は、よく言うし、確実に笑ってもらっています。

ニューヨークの人より優しいツーリストが多いとはいえ、やはりブロードウェイ。笑いの質も高かったです。

私が大笑いしたのは:

「電話ではなく、スマホでデートに誘うようになってから、テキストメッセージではすごくセクシーなのに、実際会うと何も言えない奴が増えた。この間、女の人が隣にいるテキストで口説き続けている奴を見た」

と、黒人コメディアンの

「まぁ、俺らはやっぱりリズム感はいいよね。うちの婆ちゃんなんか、俺をベルトで叩くときの調子と音が、完全にグラディス・ナイトの歌みたいだった」

あ。文章だと面白さが全然、伝わらないですね。

日本のコントや漫才は設定がシュールになって行く「あり得ない話」が多く、アメリカはほぼ「大げさだけれど、“それ、あるある”な話」のように思います。憶測ですが、日本人同士は了解事項が多くて、1億総「あうんの呼吸」を求められるので、そこから逸脱させる話が面白い。いろんな人が居るアメリカは、お互いの基本を理解するのが精一杯で、その基本を面白く整理したり、際立たせたりするジョークがウケるのではないかな、と。

ひとり、ニューヨークらしく、はっきりと銃の規制強化をプロットに入れていた人がいたのですが、私たちの隣に座っていたサウス・カロライナから来た女子大生(すっごいかわいい)のふたりがブーイングしていて(つまり、彼女達は銃推進派)、ドン引きしました。

アメリカは、広いです。

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