これが、2014年で世界的に一番ヒットしたレゲエ・ソングです。
カナダのレゲエ・フュージョン・バンド、Magic!の”Rude”。
うん、軽いの。ニコチンが1ミリグラムしか入っていないタバコよりさらにライト(あ、私、タバコは嫌いです)。
本気のレゲエ・ファンにしてみれば、ギリギリ耐えられるか耐えられないかの軽さ。
でも、この曲が7年ぶりに、ビルボードの総合チャートの1位に輝いたレゲエ・ソングという事実を見過ごすワケにも行かず(ちなみに、07年はショーン・キングストンの“Beautiful Girl”)。
これくらいキャッチーな曲はほかにもあるし、なーんでこれがそんなに流行ったかな、と考察してみると、歌詞かなぁ、と。おかしいの。目くじらを立てるのがバカバカしくなるくらい。
ストーリーはヴィデオを見ての通り。彼女のお父さんに結婚の許可をもらいに行って、突き放されて、逆ギレして、駆け落ちするという。
コーラス部分が秀逸。訳出しますね。
バンド野郎「お嬢さんと結婚していいでしょうか? いいと言って下さい、大事なコトなんです」
バンド野郎「……俺が死ぬまで、絶対に許可してくれないんですか!」
彼女パパ「気の毒だが、ダメなものはダメだ」
……アウチ。tough luckって言われちゃってます。ここで、パンチライン。
バンド野郎「なんでそんなに失礼なんだ! 俺だって人間だし!」
……俺だって人間だし!!!
この“Don’t you know, I’M HUMAN, TOO”を合唱するとすっごく楽しいんですよ。サンクス・ギヴィングのパーティーで小学6年生と歌ってみて気がついたのですが。
調べたら、このバンド野郎、じゃなかったヴォーカルは、ジャスティン・ビーバーやクリス・ブラウンに曲を提供しているプロデューサー・チーム、ザ・メッセンジャーズの片割れでもあるんですね。ヒット曲の作り方をよく知っている優秀なアーティストのワケです。私もライナーで取り上げたことがあるのに、バンドをやっていることは知りませんでした。ごめんなさい。
で、この曲で思い出したのが、こちらのヒット。
シャギーの“It Wasn’t Me”。
2000年のビッグ・ヒットで、やはりビルボードの1位を獲得、この曲を収録した『Hot Shot』はなんと世界で2000万枚(200万枚、じゃないですよ。一ケタ違うの)シャギーは一躍、メーンストリームでも知られる存在に。
まぁ、彼は芸達者な正統派レゲエ・アーティストではありますが、「浮気の現場を押さえられても、カメラに残っていても、とにかく“俺じゃない”と言い張れ」というテーマの脱力ソングだったところが、“Rude”との共通点。うーん、レゲエの裏打ちのリズムはのんびりしたイメージがあるので、ふだんレゲエを聴かない人たちには、こういう、おとぼけ系というか脱力系というか、面白いリリックがしっくり来るのでしょうか。
“Rude”を曲として純粋に好きになるのは難しいけれど(キッパリ)、小学生が抵抗なく歌って、「これ、レゲエなんだよー」という会話ができるのは、やっぱりいいことかなぁ、と思いました。
もし、この曲が事実なら、彼女パパもそろそろ許してあげて欲しいです。
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日本のラジオでもよくかかってて、最初聴いた時は、レゲエだなぁ~と思って。
アーティスト名に全然ピンとこなくて、軽い感じと何か違う感じがずっと胸にひっかかってたんですが・・・
今回のブログを読んで、胸のモヤモヤがとれました(笑)
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はじめまして。
いつも興味深く読ませていただいてます。
この曲がレゲエのジャンルに入るなんて知りませんでした(笑)
世界的には売れたかもしれないけどジャマイカでの反応が知りたいとこですね。
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日本でもかかっているんですねー。参考になりました! まぁ、ラジオ映えする曲ですよね。>chan兵さん
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リズムだけ着目したら、完全にレゲエなのですが、上に乗っている音が軽いですよね。アメリカのジャマイカ系の人は好きみたいですよ。エレファント・マンあたり、サクッと替え歌をやる気もします。>tsuudinaychaさん