ラッパーの語彙力を数値化したすてきなグラフが登場しました

USのサイト、The Puddingでマット・ダニエルさんがラッパーの語彙力を数値化し、グラフ化するという偉業を見せてくれました。

なんて、なんてすてきな試み。FBでセレクターのあっちゃん ( @selectorArts )がリンクを紹介してくれて、それを開いて企画の意図を理解し、ラッパーの顔をクリックするたびに数字が出てくることを発見したときのカタルシス。これだけで、何時間でも遊べそうです。

でね、Twitterで紹介したらバズったのはいいんだけど、私、unique wordsをふつーに「珍しい言葉」、って解釈したんだけど(3万5千字のうち、独自の単語を入れた回数)、よくよく読んだらシンプルに「単語数」って話なのね。解析ソフトを使ってひたすら数えたらしい。マットさんすごい。

 

ごめん、ごめんなさーい。

 

ただ、結果的には珍しい言葉を使っている方が語彙数は上がるわけで、最初の解釈でグラフを見て結果は同じです。でも、まぁ罪滅ぼしをします。英語のサイトなので、より理解できるようにポイントだけ訳しますね。ガイド代わりにどうぞ。

 

・最初の公開は2014年。今回、リル・ウージー・ヴァート、リル・ヨッティ、ミーゴス、21サヴェージら、75人の新しいアーティストを加えて再公開。

 

・ルールは各ラッパーの35000語(アルバム3〜5枚分)の語彙数をひらすら数える、というもの。ビギーやチャンス・ザ・ラッパーみたいに35,000語分のマテリアルがない人は入っていない。

 

・最近のアーティストは語彙が少ないけれど、ヒップホップがバカになったのではなく、ちゃんと進化はしていて、複雑なリリシズムを追求するより、従来のポップミュージックにより近くなっている。例としてはリル・ウージー・ヴァートの2556語はビヨンセの2433語に近い。また、チャイルディッシュ・ガンビーノみたいにヒップホップに収まりきらない曲を作るアーティストと、言葉詰め込みまくりのウータンのアルバムを比べるのもあまり意味がない。

 

‥なるほど。その後はエイソップ・ロックやバスドライバーといった異常な語彙力の人や、ウータンのメンバーはやっぱりすごいねー、とか、アウトキャストとE-40は造語や流行語を作った達人なんだよー、みたいな話が続きます。

 

で、最後ジェイ-Zのリリックを引用。

 

I dumbed down for my audience to double my dollars

They criticized me for it, yet they all yell “holla”

If skills sold, truth be told, I’d probably be

Lyrically Talib Kweli

Truthfully I wanna rhyme like Common Sense

But I did 5 mil – I ain’t been rhyming like Common since

 

俺は聴き手のためにわかりやすくやって稼ぎを2倍にした/それで批判されたけど、みんな「ホラ!」って叫んでたじゃん/もしスキルで売れるなら、正直タリブ・クウェリみたいなリリックを書くし 本気でコモン・センスみたいにライムしたいよ/でも500万枚も売って以来/コモンみたいにはライムしていない(池城訳)

 

 

‥タリブさんとコモンさんをほめてんだかディスってるんだかわからないですが、このふたりに対する憧れみたいな引け目は、あの世代のMCは多いようです。私も50セントに面と向かって「俺だって、コンシャスな面があるからコンシャス・ラッパーなんだ」って暗にタリブさんたちを意識した発言をされたことがあります。

 

あ。話が逸れた。

 

ヒップホップにの変容についても、「語彙数が少ない=ラッパーとしてはダメ」ではない、という主張も、私は賛成です。言葉がシンプルでも、組み合わせで深いリリックを書く人もいるし。でも、面白い言葉を詰め込んだ言葉多めのヒップホップの方が好きかな。

The Puddingのグラフを楽しくクリックしつつ、今週も乗り切っていきましょう。